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短編2
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絵描き師 第1話

夜に子供がクローゼット、屋根裏、ベッドの下、押入れの中を怖がるのは

そこに高い確率で何かが存在するからである。

きっとあなたも

ふと振り返ったり、何もいないのに視線を何処かにやることはないだろうか?

あなたは見えていないモノの視線を感じているからだ。

第1話

幼稚園児達の声がする公園で絵を描いている、朱雀 徹。

「こんなモノかな?うん、良い出来だ。」

幼稚園児達が元気に遊ぶ姿を絵にして

その絵を眺めていると、左ポケットに入った携帯が震える。

「はい、もしもし朱雀です。」

電話の相手は親友の加藤からだった。

「朱雀?加藤だけど、今大丈夫か?」

「仕事かい?」

朱雀は絵道具を片付け始める。

「ああ、あの仕事だ。場所はメールで送る。着いたら電話してくれ。」

「了解。」

朱雀は絵道具を持ち、幼稚園児達の絵を幼稚園の先生に渡す。

笑顔で幼稚園児達に手を振り足早に現場に向かった。

朱雀は古い一軒家の前で立ち止まる

「あ、ここだな。もしもし、着いたよ。」

「おお、相変わらず早いな。俺も、もう少しで着く。」

携帯を左ポケットに戻し

仕事道具の準備をする。

画用紙と鉛筆を取り出す。

「待たせたな、徹。よし、中に入ろう。」

加藤は鍵で古びた扉を開く、扉が開いた瞬間に異臭と異常な程の冷気を感じた。

「これは描くのに骨が折れそうだ」

加藤は大きなリュックを背負い

二階に続く階段に指を差す

「ここに問題の部屋がある。」

二階に続く階段を踏みしめると

ミシミシと音を立てる。

朱雀は埃っぽいせいで咳が出る

「ゴホッ!問題の部屋はいくつ?」

加藤は部屋の扉の前で立ち止まり

「この部屋だけだ。」

部屋の扉には5枚の板で開かないように鉄の釘で厳重にされていた。

加藤はバールで打ち付けられた板を外しながら

「いいか?扉が開いたら、すぐ仕事に取りかかれ。」

朱雀は布で鼻と口を塞ぎ頷く

腐った板が外れ加藤は扉を開く

「いけ!さっさと終わらせるぞ!」

朱雀は椅子と画用紙、鉛筆を取り出し絵を描き始める。

加藤は大きなリュックから塩を取り出し、朱雀を囲むように盛っていく。

加藤は数珠、札を取り出しお経を唱える準備に入る

「朱雀!どれくらいかかる!?」

朱雀は絵を描きながら

「10分もあれば十分だ!耐えられるか?」

加藤は大声で「当たり前だろ!!」

そして加藤はお経を唱え始める。

その影響なのか家全体が揺れだす。

加藤は続けてお経を唱えると

異臭と異常な冷気を作り出す

その正体が現れた。

To be continued…

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SIYO様
新作シリーズでしょうか。
登場人物についての記述はなくとも、その輪郭がはっきりと伝わってまいります。
無駄のないきびきびした張りのある文体。
流れるようなスピード感で一気に読ませていただきました。
いいところでTo be continued…続きが楽しみですね。
お名前は存じ上げておりましたが、なかなか読む機会がないまま今に至ります。
申し訳ございませんでした。
他の既出シリーズも読ませていただきますね。

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