序章
幽霊を信じるか信じないかでいったら、俺は信じる派だ。
いや、信じたい派だ。
だがしかし、実際目の前に貞子の様な長い黒髪を垂らした白装束の女が現れでもしたら、怖くて何も出来ないとは容易に想像が付くのだが「死後の世界」が確実に有るという事の証明にはなる。
俺は死ぬのが怖い。
途轍もなく怖い。
死ぬ瞬間の苦しみや痛みは勿論の事だが、死んだ後に待っているかもしれない「無」というものが非常に怖いのだ。
脳の電気信号がストップし、肉体を離れた魂は一体どこへ行くのか?
誰もが一度は考える事だとは思うのだが、永遠に続く無が待っているかと想像したら気が気ではない。
天国や地獄は人間が想像した仮説に過ぎない事は分かっている。
輪廻転生。
これも恐らく人間が「無」という恐怖から逃れる為に作り出した戯言だろう。
俺たちがこの世に生を受け、確実に訪れる「死」というものに直面した時、この世に対する未練や恨みが具現化し、俗にいう「幽霊」という形となってこの世を彷徨い続ける事があるのだろうか?
もしかすると、この「幽霊」という存在すらも、人々の心のどこかに潜む死を恐れた恐怖心が作り上げた「仮説」なのかも知れない。
俺は知りたい。
死後の世界があるのかを…
そんな俺は仕事の休憩時や通勤電車の中で、怖いサイトや心霊速報などを漁り、読みまくっている。
どれもこれも似たような話や記事が多いのだが、先日、気になるものを目にした。
皆殺しの家
それは、数年前にある別荘地で実際に起こった大量殺人事件の記事だった。
場所は海が一望出来る、人里離れた山間の中腹辺りに建てられた別荘地で、7棟の大きな建物が円を描く様に建てられているという。
そこの1棟に突然猟銃を持った男が押し入り、夏の休暇を楽しんでいた家族7人を皆殺しにしたというのだ。
それからというもの、その別荘地には殺された家族達の霊が彷徨い、恐れをなした近隣の所有者達は、我れ先にと土地を手放して離れてしまったらしい。
現在その土地は国の所有物であり、「立ち入り禁止」の立て看板の向こう側で、朽ちた建て物の残骸だけがひっそりと息を潜めている。
俺は早速、彼女である平坂洋子と親友の龍田進を行きつけの中華料理店に呼び出した。
「なあなあ、来週の土曜の夜にでも行ってみようぜ♪」
「あーあ、また太郎が馬鹿な事を言い始めたw そんなとこ行って誰が得すんのよバカバカしい…」
洋子が大皿に乗った酢豚を長い箸で突きながら、ため息まじりにボヤいた。
「いやでも洋子ちゃんこれ中々面白そうな所だよ。最恐心霊スポットでググッたら一発でヒットしたしw コメント欄もヤバイよ、絶対に幽霊が見れる呪いの別荘地だって」
進が紹興酒ソーダ割りのグラスをカランといわせながら、右手にもったスマホの画面を洋子の顔に近づけた。
さすがは進、ノリが良い。
「やだ!あたしは絶対に行かないからね!行きたかったら太郎と進君の2人で行って来なさいよー!」
「おいおい洋子、そんな冷たい事言うなよー、俺1回でいいからこの目で本物の幽霊が見てみたいんだよー」
「だーめ!絶対にイヤ!!」
断固たる洋子の言葉に、俺は最終手段を使う事にした。
「来月の誕プレにお前の欲しがってたシャ◯ルのバッグ買ってやるからさー、頼むよーw」
その瞬間、洋子は八宝菜を突く手をピタリと止めて、どこかへと電話を掛け始めた。
「もしもし史華ー?来週の土曜の夜なんだけどさー♪ 空いてる?」
…
そして翌週の土曜日の深夜、好奇心旺盛な妹の夏美を含めた俺たち5人は「皆殺しの家」と呼ばれる最恐スポットに足を踏み入れる事となった。
【続く】
作者ロビンⓂ︎
さあ皆様!今年1発目のお祭りを開催いたしませんか?…ひ…
今回はリレー作品!
叩かれるのを覚悟した無謀な試み!
各々が指名した多種多様の才をお持ちの作者様へ順番にバトンを繋いでいく!
まさに「駅伝怪談」!!
誰にも先の読めない奇想天外な物語!
はたしてどんな結末が?!
てか、無事に完結するのか?w
【ルール説明】
一応、作者様の数は俺を含めた10名様までと決めさせて頂きます。
書き終わった作者様が、次の愛すべき作者様を指名して頂きます。
文章は短編でも長編でもオーケー!但し、バトンを引き継いでから「24時間以内」の執筆、upでお願い致します。
24時間を過ぎますと、新しい作者様を指名されるか、我こそは!という作者様に引き継がれます。
※ 男性の作者様と女性作者様がおられるので、必ずしも「太郎目線」で無くとも構いません。←これ重要
あと、解りやすい様に、タイトル部分に【リレー作品】と番号を入れて下さい。
そして8番目、9番目の作者様は次の方がラストですので、余り伏線を広げ過ぎない様にお気をつけ下さいw
登場人物は下に書いた5人+2人(幽霊除く)くらいまででお願い致します。
勿論、今はお忙しい時期なので指名されたからといって無理に引き受けず、辞退されても構いません!
お祭りなので時間のある、書きたい方のみで結構でございます。
【登場人物】
野呂 太郎 → 年齢20歳、元暴走族上がりのオラオラ系だが、現在はすっかり丸くなり、ガソリンスタンドで契約社員として勤めている。霊感多少有り。
龍田 進 → 年齢20歳 太郎の親友(幼馴染み)。太郎とは正反対の容姿で、頭脳明晰な大学生。実家暮らし。霊媒体質。
平坂 洋子 → 年齢19歳、太郎の彼女。一方的な太郎の片思いと積極的なアプローチに負け、三カ月前から付き合い始めた。 社会人一年目の美容部員。霊感無し。
川久保 史華 → 年齢19歳。洋子の親友。高校卒業後、実家の由緒ある酒屋さんの手伝いをしている。話し口調は萌え系。密かに龍田進に想いを寄せている。霊感無し。
野呂 夏美 → 年齢17歳。太郎の妹で美人。口調は男っぽく柔道の有段者。意外と泣き虫。高校二年生。霊媒体質。
…
※ これ以外の、建物の形状、殺害された家族構成、犯人の素性、等のイメージ描写は全て皆様にお任せ致します。
後、ご質問、ご要望、参加希望者の方がおられましたら、ロビンM太郎.com宛てにお願い致します♪
…
さあ、それではお祭りを開催しましょう!
次の指名は、よもつひらさか先生!と言いたい所ですが、出来れば先生には「ラスト」を飾って頂きたいので…
鏡水花姐さんw
怖話が生んだGOD姐ちゃん♪
トップバッターを飾るのは鏡姐さんしかいません!
姐さん色をふんだんに盛り込んだお話、引き継ぎをどうぞよろしくお願いします!!
あー楽しみ♪…ひひ…
【駅伝怪談順】
第二走者:鏡水花様
→http://kowabana.jp/stories/25206
第三走者:紅茶ミルク番長様
→http://kowabana.jp/stories/25219
第四走者:あんみつ姫様
→http://kowabana.jp/stories/25232
第五走者:mami様
→http://kowabana.jp/stories/25244
第六走者:ゴルゴム13様
→http://kowabana.jp/stories/25256
第七走者:ラグト様
→http://kowabana.jp/stories/25269
第八走者:龍田詩織様
→http://kowabana.jp/stories/26094
第九走者:小夜子様
→http://kowabana.jp/stories/25283
第十走者:よもつひらさか様
→http://kowabana.jp/stories/25296
【完走】
※ コノハズク様、こげ様、残念ながら今回はバトンが回りませんでしたが、ご参加のご意向に感謝しております( ´ ▽ ` )ノ
2016年、1月14日、一週間に渡りバトンを繋いできた初の試みでもある「駅伝怪談」は、皆様のお陰で無事に完走する事ができました。
大成功です♪
今までに類を見ない、素晴らしい作品になったのではないでしょうか?
今回感じた事は、ご参加頂いた9名の作家様を始めとして、改めて素晴らしい作家様達に囲まれているなと実感しました。
またいつか、この様な楽しい企画が出来たらなと思っております♪ ←何者?
最後に、お祭りにご参加頂きました作家様、リアルタイムで応援して下さった読者様、本当に本当に有難う御座いました!
※ 引き続き、マガツヒ様プレゼンツ「皆殺しの家 外伝」をお楽しみ下さい!…ひひ…
→http://kowabana.jp/stories/25299
ロビンM太郎.com