フェンスを潜ったとたん、季節が冬へと変わったように感じた。
冷たい…とにかく空気が冷たいのだ。
耐えきれずに身震いをすると、俺にくっついてる史華が不思議そうにこちらを見てきた。
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「進くん、どうしたのぉ?寒い?
あ!史華が温めてあげよっか!」
『え、遠慮しておくわ…w』
全く…頼むから夏美ちゃんの前であまりベタベタしないでくれよな…。
俺の心の声は、ため息となって消えた。
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夏美ちゃんの方を見ると…
円を描くように建てられた家のうち、最も奥の1戸を凝視していた。
目を見開き、呼吸も浅く、細くきざんでいた。
近くでテンション高く騒いでいる、太郎と洋子の声は聞こえていないようだった。
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俺は話し掛けようと肩を叩いた。
「!?」
電気が走ったようにビクッと跳ねる夏美ちゃん。
『どうしたの、大丈夫?』
「ハッ…ハッ…ハッ…、ここヤバイ…
ヤバイですよ進さん…!」
震える指でさっきまで見ていた家を指す。
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「あの家で間違いない…!…女の人は絶対に入ったら危険!!」
俺も恐る恐る指差す家を見てみる。
確かにやばそ…………ん?
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「…夏美ちゃん…。ちょ…w
あ、あれ…www」
『え?どうし…え!?
shake
兄貴!!洋子さん!!』
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俺達が話している間に、先ほどまでは隣で騒いでいたはずの太郎と洋子は
家に入ろうとドアをガタガタと2人で動かしていた。
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「ちょっと兄貴!?よりにもよってなんでその家…!待って!!」
『おい太郎!洋子!まじヤバイんだって!戻ってこい!!』
俺達の声は届いているはずなのに、2人は振り向きもせずに
古びたドアをこじ開けることに夢中になってた。
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「兄貴!」
夏美ちゃんが太郎達の元へ走り出した。
俺も加勢を…
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shake
グッ!
『!?』
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走り出そうとした俺の身体は、左腕に掴まれている力によって制止された。
振り向くと俺の左腕を掴んだ史華がうつむいていた。
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『おい史華…!太郎達を止めなきゃ!離してくれ!』
「なんでですかぁ?」
俺を掴む手に力がこもった。
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『なんでって…、状況的にまずいだろ!頼むから離してくれ!
怖いなら一緒に行こう、ほら!』
「嫌ですぅ。なんで行く必要があるんですか?」
…おかしい
俺はさっきから全力で振りほどこうとしてるのに…
史華の身体がピクリとも動かない!
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「…あ、わかったぁ!」
『へ?』
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shake
「お前もママを奪いにきたのか!!」
突然顔を上げた史華は、鬼の形相だった。
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『うわあぁぁ!!!』
ドンッ!ドサッ!
左腕が折れそうなほどの力で掴む史華を全力で突き飛ばした。
痛がる様子も無く起き上がってこようとする史華に
俺の全神経が警報を鳴らしていた。
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ヤバイヤバイヤバイ…
こいつ…史華じゃない!
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俺は夏美ちゃん達が向かった家へと、走り出した。
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『夏美ちゃん!』
「あ、進さん…。」
『2人は?』
「ドアが開かないと悟ったのか、あそこの割れた窓から入って行きました…。
私の声も聞こえてないみたいで…。」
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夏美ちゃんの指差す方を見ると、庭側の窓ガラスが割れていた。
…あそこから入ったのか。
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「…あれ、史華さんは?」
『!!…そうだ、史華も様子がおかしかったんだ!
突然怒り出して…〈ママを奪うのか!〉って…。』
そう説明しながら史華がいる方を振り返り、懐中電灯で照らす。
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史華は、歩きながらこちらに向かってきていた。
『…まずい、こっちにきてる!』
「進さん!私達も中へ入りましょう!
史華さんもまずいけど…兄貴と洋子さんは、もっと危ない!」
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そう言った夏美ちゃんは、意を決して窓の中へと入って行った。
俺もそれに続いて、家の中へと足を踏み入れる。
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…こうして俺達の、長い夜が始まった。
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…
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この時、俺は甘く見ていたのかもしれない…。
〈皆殺しの家〉の恐ろしさを…。
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つづく
作者退会会員
新年あけまして、おめでとうございます。
皆様お久しぶりです、他人の作品のコメント欄だろうとマイぺだろうと
文字だけのはずなのに、うるさいと定評のある
紅茶ミルク番長です!
そして、始まりました!
今年一発目のお祭り!!
題して【祝祭リレー】!
僭越ながら、第3走者を任されました…w
素人なりに無い知恵絞って絞って作り上げました。
絞りすぎて脳が縮んだかも…ってくらいでございますww
↓まだ、①と②を読んでいない方はこちら↓
第一走者:ロビンM太郎.com様→http://kowabana.jp/stories/25198
第二走者:鏡水花様→http://kowabana.jp/stories/25206
↓この作品の続きはこちら↓
第四走者:あんみつ姫様→http://kowabana.jp/stories/25232
第五走者:mami様→http://kowabana.jp/stories/25244
第六走者:ゴルゴム13様→http://kowabana.jp/stories/25256
第七走者:ラグト様→http://kowabana.jp/stories/25269
第八走者:龍田詩織様→http://kowabana.jp/stories/25277
第九走者:小夜子様→http://kowabana.jp/stories/25283
アンカー走者:よもつひらさか様→http://kowabana.jp/stories/25296
………………………………
そして私がバトンを渡す方は
ドゥルルルルル…
いつも言葉遣い優しく聡明、まさに怖話という平安京のお姫様!
『あんみつ姫』様です!!
みつ姫姉様、よろしくお願いします!
…
では…次は…えーと、そうそう!
ルール説明でしたね!
【ルール説明】
制限時間は50分!
各々が得意とする武器を選び、指定された大型モンスターを
狩猟または討伐します。
アイテムは運営側から支給されたもの以外の使用は禁止です!
力尽きても復活しますが、1回力尽きるごとに
報酬金が減っていきます。
報酬金が0になった時点でクエスト失敗です!
…え?違う???
ハイスミマセン、嘘ですw
細かなルールは主催者であるロビン様の作品をご覧になってください!
あ、誰です?めんどくさがってやがるとか思った人!?
まったく、そのとおりですよ!
という訳で、以下コピペですw
【登場人物】
野呂 太郎 → 年齢20歳、元暴走族上がりのオラオラ系だが、現在はすっかり丸くなり、ガソリンスタンドで契約社員として勤めている。霊感多少有り。
龍田 進 → 年齢20歳 太郎の親友(幼馴染み)。太郎とは正反対の容姿で、頭脳明晰な大学生。実家暮らし。霊媒体質。
平坂 洋子 → 年齢19歳、太郎の彼女。一方的な太郎の片思いと積極的なアプローチに負け、三カ月前から付き合い始めた。 社会人一年目の美容部員。霊感無し。
川久保 史華 → 年齢19歳。洋子の親友。高校卒業後、実家の由緒ある酒屋さんの手伝いをしている。話し口調は萌え系。密かに龍田進に想いを寄せている。霊感無し。
野呂 夏美 → 年齢17歳。太郎の妹で美人。口調は男っぽく柔道の有段者。意外と泣き虫。高校二年生。霊媒体質。
…
※ これ以外の、建物の形状、殺害された家族構成、犯人の素性、等のイメージ描写は全て皆様にお任せ致します。
後、ご質問、ご要望、参加希望者の方がおられましたら、ロビンM太郎.com宛てにお願い致します♪
…
※解説文は随時更新します!