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短編2
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絵描き師 第2話 BGMあり

「タスケ…タスケ…」

加藤は目の前に現れた呪いの元凶を見つめながらお経を唱え続ける。

music:3

背筋が凍るような異臭と殺気…

それに負けじと加藤は集中する。

「イマカラ…イチネンマエ…」

music:2

現れた元凶の言葉に朱雀の手が止まる

加藤は瞼を閉じ口も閉じる

「○○○ガ、ココデハックツサレタ。ワタシタチハシンダ…」

朱雀の描くスピードが増していく

「そうか…視えてきた!あの時と同じ!呪物!」

朱雀が描く絵に浮かぶ幸せそうな家族の絵を描き上げる

「ワタシタチハシンダ…だけど愛する娘だけは守ることは出来ました。」

加藤は頷き、さっきより強くお経を唱える。

朱雀は絵を描き終え

「よし!この家族の魂を封じた!あとは呪物だけだ!」

加藤はお経を唱えながら

部屋のどこかにある呪物を探す

朱雀が描いた絵の中から魂が飛び出し、その魂は天井に登っていった。

「加藤!天井にある!」

加藤は天井に穴を開けて呪物らしき物を取り出す。

「こ、これが呪物なのか?加藤!封印の札を!」

music:6

その呪物は禍々しい存在感を放ち

古びた包帯のような物で巻かれている。包帯の隙間からは呪いが具現化した証の髪の毛が見えていた。

加藤は札を掲げ祈りを込める

「この家に住まう呪いを今!封印する!封!」

呪いの根源である呪物に札を叩きつけ何枚も札を貼っていく。

家の揺れは収まり、異臭と冷気は消え去った。

music:5

加藤の鼻からは血が滴っていた。

「やっと終わった…呪物が相手じゃ

体がいくつあっても足りないな」

朱雀は安堵の表情を浮かべ床に座り込む

「ひとまず安心だな…。」

「あぁ…依頼主の娘さんに会いに行こう」

加藤は血を拭き取り

「よし、その家族の絵は娘さんに渡しに行こうか…呪いで死んだ両親の魂も救われるだろう。」

朱雀は絵道具を片付け頷く

「そうだな」

music:1

1時間後、無事に仕事を終えた二人は

絵に描かれた家族の娘に会いに行き

家族の絵を渡し、彼女は絵を受け取った瞬間に泣き崩れた。

描かれた絵は不思議にも両親だけだったはずが両親の間に挟まれ微笑む彼女が描かれていた。まるで写真の様に綺麗に。

それ以来、あの家はリフォームされ元の綺麗な家になったという。

彼女は両親の愛によって守られ、これからも彼女の未来を見守ることだろう。

どんな呪いでも断ち切れない家族との絆。

次回…「動き出した災」

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