同僚のTから聞いた話だ。
同僚は不思議な人だ。
自然体で純粋な人で異性としても魅力的だ。
ただ、年の差が16歳離れてなくてTにお孫さんがいなければの話だ。
そんなTは祖父に島崎藤村派の書家を持つという京都の由緒あるひと。
彼女から出てくる言葉には酷く重みがあり聞いていると心地よいがふとそれが怖い方へ向かっていくと不思議に、、、怖くない。
優しすぎるからだろう。
そんな彼女から聞いた話というのは、、、
ふと、彼女の家にて電話が鳴る。
俺は彼女の家にて明日の釣りの準備をしている。
もちろん仕掛けを作れない彼女の為に。
どうやら娘さんから電話だ。
人間嫌いな彼女は特定の人にしか電話やメールで連絡を取らない。
選ばれてるだけ満足か。
ふと電話のやりとりから「えっ!?えっ!?」とビックリした様な声が聞こえる。
彼女ことTさんが娘さんからの電話にて青ざめてきていた。
「うんうん。わかった。」
と、電話を切るT。
話を聞いてみると、、、
T「絶対信じないと思うけどな、、、ものすごく古くに作られた絵本があるんだ。
もう絶版でどこにもない様な絵本。
内容もグロテスクで子ども受けしないの。
読むと不愉快かつ心が病む様な絵本。」
俺「へぇ〜。それをお孫さんが産まれたばかりの家に置いてきたと?」
T「ううん。それも違う。
確かに私の家にあったのよ。
けどね、、、何故か娘の家にあったの。」
俺「、、、何ソレ?怖いやん。」
T「、、、それだけじゃないのよ。」
俺「?」
少し間を置いてTが話す。
T「もう絶版で人気もなくマニアックな絵本なんだけどね。
、、、、、、娘の家に勝手に行ってて、、、何故か2冊に増えてる!って娘から泣き叫びながらの電話だったんだ。」
俺は無性にその怪異に首を突っ込みたくなり今度この絵本と相見える。
絵本。
気になる。
作者パグ太郎
何か嫌な感じの絵本との事。