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生ぬるい風が吹く夜は ~第3夜~

中編3
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生ぬるい風が吹く夜は ~第3夜~

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今思い返してみても、このときのキャンプは異常だった…

経験上、キャンプに出かけて不思議な体験をすることは結構あった…

でも、ここまで立て続けにおかしな事が起こったキャンプはなかった…

そんな3泊4日のキャンプも3日目の朝を迎えた…

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オレはとにかく朝から不機嫌だった…

昨夜から今朝にかけてのおかしな現象のおかげでほとんど眠れていない…

少し気を抜くと強烈な睡魔に襲われる…

オレは友人に今日1日のグループの指導役を任せ、夜の行事のために仮眠をとることにした…

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目を覚ますと、すでに昼を過ぎていた…

昼の残りご飯でおにぎりを作ってもらい、昼食を済ます…

午後の様々な行事をこなす学生達を横目に、他のスタッフ10数名と少し離れた広場へ向かう…

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キャンプ場の野営地から歩いて5分ほど山側にあがった所にある広場に着く…

サッカー場ほどの広場だ。周りを草木に囲まれた場所ではあるが、この広場だけは草も短く刈り込んであり、中央付近には草も生えていないスペースがある…

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林道の方から大きな音が近づいてくる…

今日のオレの仕事は、この近づいてくる車に積んである木組みを下ろし、キャンプファイヤーのための櫓を建てることだ…

組み上げながら、他のスタッフや先生と話をする。

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『いやぁ、今回は色々ありすぎたなぁ』

「ホントに… 今日も何か起こるんじゃないかってヒヤヒヤしてるよ。」

『事故が起こらないように細心の注意を払ってやろうな!』

「じゃあ、精霊さんに降りてきてもらいますか?」

『そうだなぁ…』

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…精霊を降ろす…

オレたちはそう言っていた…

誰が言い出したのかは知らない…

この言葉じたいも先輩から受け継いだコトバ…

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日も沈み、辺りは闇に包まれていった…

後輩たちは全員、野営地の一画に集められた…

その手には、先端に油を染み込ませた布を巻いた木の棒が握られている…

そのかたわらでは、火がコウコウと燃えている…

生徒達はその棒に火をつけ、松明の行列を作りキャンプファイヤーの会場の広場に向かう…

そして、昼前にオレたちが組んだ櫓の中に火を投げ入れ、キャンプファイヤーの開幕って訳だ…

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先導役のスタッフが歌いながら、松明に火をつける…

♪と~おき~ や~まに~ ひ~はお~ちて~

それに呼応するように全員が歌いながら順番に松明に火をつけ、林道を進んでいく…

♪ほ~しは~ そ~らを~ ち~りば~めん~

火の灯りの列が林道と広場を結んでいく…

静寂に包まれた山に歌声が響く…

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行列の一番最後方を歩いて広場に入ったオレは、広場の入り口で、人数を確認していたスタッフと目を合わせた…

コクリッ

彼女は大きくうなずいた…

それにオレもうなずき返す…

最後の松明を燃え盛る櫓の中に投げ入れる…

『この場に集った生徒150名、行列に加わったスタッフ6名、呼び方に応えておいでになられた山の神さまを加え、計157の松明の火で、今宵の宴の会を開催します!』

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そう、松明の行列に参加したのは、生徒スタッフ合わせて156人だ…

しかし、広場入り口のスタッフが松明を持って広場に入った人数を数えると…

全部で157の松明が広場に入った…

人数を数えていたのは一人ではない…

3人のスタッフが数を数え、確認したがやはり157だった…

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別に不思議事ではない…

いつものことだ…

あの歌を歌いながら、松明を持って移動するといつも一人か二人、人数が増える…

オレたちはこの事を、精霊を降ろす…という…

この行事の安全と、1年の健康への祈りを込めて…

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そして、キャンプファイヤーは盛り上がり、楽しく賑やかに3日目の夜はふけていった

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翌朝、昨日までの天気が嘘のような明るい朝だった…

昨日まで吹いていた、生ぬるい風は消え去り、初夏らしい爽やかな風が、吹き抜けていた…

Concrete
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りこさん、ありがとうございます。
なんか変な投稿になり、申し訳ありません。

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