数年前の話ですが、近所の小学校に通っているという低学年の姉妹とその母親に「子猫見ませんでしたか?」と聞かれた。
事情を聞いたらその家の猫が5匹子供を産んだんだけど、その5匹がいっせいに消えた、という。
妹は泣いてるし、可哀想になって私も一緒に探す事にした。
姉妹の友達なども参加して皆で探したが見つからず、時間だけが過ぎていった。
大人数で探してるとなにやら姉と、姉の友達の様子がだんだんとそわそわしていておかしい。
「どうしたの?」と聞かれても真っ赤な顔で「なんでもない…」。
どこ探してもいないので諦めムードが漂ってきた時、騒ぎに気が付いた近所のバーさんが来て
「猫?さっきお姉ちゃん猫連れて行かなかった?」と聞いてきた。
それを聞いて姉動揺「知らない!行ってない!!」、お友達は走って逃げてしまった。
母親がハッとした顔で「本当の事言いなさい!」と問い詰めると
「だってママが猫あげちゃうって言うから!!!」とワアアーっと泣き出した。
姉は生まれた猫がかわいくてならず、姉の友達は猫を貰いたがったが親に反対されていた。
「それならいっそ二人で外で飼おう!」となり、猫を拉致って行ったと言う。
母親が「子猫どこにいるの!?」と聞くと泣いて答えない。
子猫は母猫と一緒じゃないと生きていけないと説得し、何とか猫の場所へ連れて行った。
所がそこは何度も探した場所。
一体どこに隠したんだろうと不思議に思ったら、姉が指差したのは最近掘り返した跡のある地面。
静まり返る中、捜索してたうちの一人が黙って土を掘り返し始めた。
そしたらそこから子猫の死体がゴロゴロと…
うち一匹はまだかすかに息があったが、掘り返してまもなく死亡。
「どうして埋めちゃったの!」と聞くと「ぐったりしたから」「友達が埋めちゃおうって言ったから」。
母親がもうパニック状態、「何でこんな事したの!!」と言う問いかけに対して
姉は怒って「ママが飼って良いって言わないからでしょ!!ママが悪いんでしょ!!
死んだのはママのせいだからね!!ママが殺したんだからね!あたしのせいじゃないからね!!
なんであたしのせいにするの!!また生めば良いじゃん!!」
母親愕然として涙をボロボロ流し、両耳をふさいで座り込んでしまった。
そこに姉が一言。「もう帰ろうよ~疲れたしお腹すいた~」……
あまりの状況に皆黙り込み、母娘を置いて誰ともなく無言で帰って行った。
作者じゅんのこ
元ネタはとあるところです。
怖いというジャンルが少し違いますが読んでくださった方はありがとうございます。