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どうやら眠っていたらしい…
まだ意識は朦朧としている…
身体中が痛い…
特に頭が割れそうな位に痛む…
少しずつ意識がはっきりとしてくる。
そこで初めて自分の身体の自由が聞かないことに気づく。
椅子に座っている。手を動かすことは出来ない。
どうやら後ろ手に縛られているようだ…
足は?
やはり、動かない。
椅子の足に縛りつけられているようだ…
自分の置かれている状況が少しずつわかってきた…
椅子に座らされ、腰のあたりで椅子に縛りつけられ、両手は椅子の背もたれの後ろに回された上に縛られている。両足は椅子の足に…
(何故?どうしてこんなことになってる?…)
意味のわからない状況にパニックになる。
いくら考えても、こうなった経緯が思い出せない。
とりあえず、無理矢理心を落ち着かせて周囲を見渡す…
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(ここはどこだ?…)
無機質なコンクリートの壁、所々むき出しになった鉄筋…
(廃墟?)
目の前には、こんな廃墟には不釣り合いな大きな姿見の鏡が置いてある。
俺が映っている…
鏡の中の俺の有り様はひどい…
着ている服はあちこち破れ、埃まみれ。
顔も真っ黒に汚れ、額から血が流れているようだ。
とにかく、汚れて傷だらけ。
状況がわかればわかるほど、訳がわからなくなる…
何があったのか… 必死に思い出そうと考えていると
…オマエガ…
声が聞こえた…
「誰かいるんですか? 助けて下さい!」
大声をあげてみるが、廃墟の中でむなしく響くだけで、なんの反応もない…
「なんだよ!誰かいるんだろ!俺をこんな目に会わせたのはお前か?どうしてこんなことするんだ!俺が何かしたって言うのか?とりあえず出てこいよ!」
やはり反応はない…
不気味な静寂が広がるだけ…
「なんだよ… 俺がなにしたっていうんだよ… 訳がわかんねぇよ… 誰か助けてくれよ…」
また訪れる静寂…
…オマエガ…
また誰かの声が聞こえた…
あたりを見回し、また声をあげようとしたときだった…
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…オマエガ…
…オマエヲ…
…オマエニ…
…オマエノ…
…オマエサエ…
どこから聞こえるかなんてものじゃない…
遠くから聞こえたと思うと、次は耳元で…
右から聞こえたと思えば、次は左側から…
後ろで聞こえたと思えば、次は俺の真下から…
ありとあらゆる方向から、四方八方から頭の中まで響くような低く不気味な声が聞こえる…
(ヤバい… なんだよコレ…? とにかくなんとかここから逃げないと…)
必死にもがく。もがけばもがくほど、ロープが皮膚に食い込む…
強烈な痛み… だけどそんなことを言っている場合じゃない… とにかくなんとかして逃げないと!
…コロス…
…コロセ…
…シネ…
…ケセ…
…コロソウ…
不気味な声は聞こえ続けている!
必死にもがいていると、ふと目の前の鏡がおかしいことに気づく。
鏡の前の俺は、椅子に縛られた状態で必死にもがいているというのに、鏡の中のオレは下をうつむき震えているようだ…
俺「なんなんだよコレ?鏡じゃ無いのか?…」
全く動かない鏡の中のオレに目を奪われる…
周りの声はいつの間にか止んでいた…
…クックック…
(コイツ、震えてるんじゃない!笑ってやがる!)
鏡の中のオレが顔を上げる…
そこに映っているのはやはり俺だ!薄汚れ、あちこちから血を流す俺だ!
違うことと言えば…
…ハッハッハ! ハ~ッハッハ~…
笑ってやがる! 血に染まった顔で大きな口を開けて大笑いしてやがる…
俺「誰だよ、オマエ…?」
オレ『…オカシなこと言うなよ… オレはオマエだよ!』
そう言うと、鏡の中のオレは縛られていたはずのロープを事も無げにほどき立ち上がった…
不気味に…、そして気にさわる声で笑いながらこちらに近づいてくる…
ガシャ~ンッ!
鏡が大きな音をたてて割れた!
訪れる静寂…
(助かったのか?…)
鏡の割れたそれは、下地の木の板をむき出しにしてそこにたたずんでいる。
胸を撫で下ろした時だった…
バ~ンッ!
大きな音をたてて、鏡が俺の方向に向けて倒れて来た!
身動きの出来ない俺は避ける事など出来なかったが、なんとかギリギリ俺には届かないところに倒れた。
ギリギリ助かった… なんてほっとする暇なんて無かった…
倒れた鏡の向こう… そこにオレが居た…
血に染まった顔で、不気味に笑っている…
バキッ… バキッ…
倒れた鏡を踏み越え、一歩ずつ俺に近づいてくる…
その手には、小さなナイフが握らていた…
そしてそのオレは、俺の左の脇腹にナイフを突き立てた…
「ギャ~ッ!」
『ゲラ、ゲラ、ゲラッ!』
俺の意識は深い闇の中に落ちて行った…
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どうやら眠っていたらしい…
まだ意識は朦朧としている…
身体中が痛い…
特に頭が割れそうな位に痛む…
脇腹の辺りもかなりの痛みがある…
よく見ると、そこには小さなナイフが刺さっていた…
抜こうとするが、手が思うように動かない…
どうやら、後ろ手に縛られているようだ…
こうしてる間にも脇腹からは血が流れ出ている…
ここはどこだ? なんでこんなことになってる?
どうやら俺は手足を椅子に縛りつけられているようだ…
辺りを見渡す… 無機質なコンクリート、所々むき出しになった鉄筋…
どこかの廃墟に居るようだ…
目の前にはこの場所には不釣り合いな大きな姿見の鏡が置いてある…
作者烏賊サマ師
どうもです(^_^ゞ
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。
先日、見た夢です。 俺… 病んでますかね?