中編3
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死之尾夜 第二夜

music:1

珍しく晴天になった。

相変わらず小説は書けていないが

気分はいい。

しかし、昨日の灰色の正体は何だったんだ?妙に人の顔のようにも見えた。

念のために倉庫から薪を部屋に運び

別荘の周りを散策していた。

当たり前だが人気は一切ない…

微かに揺れる枝の音、鳥の鳴き声

見渡す限りの緑。

それから小さな小川を見つけて

辿っていた先で目を疑うモノを見た。

music:2

体長2メートルはあろう熊が大木の尖った枝に突き刺さっていた。

死んでから時間は経っていないだろう

大量の血液が大木の下で水溜りになっていた。

そのすぐ近くの林から息遣いが聞こえる

その場から速く逃げ出したいのを押し殺し、一歩、また一歩と後ろに下がる。

ある程度の距離を置いた瞬間に一気に別荘へと走り出した。

頭に浮かんでいたのは壁に飾られた

散弾銃のことだけだった。

無我夢中で走り続け石に躓き、急な崖から転げ落ちた。

「イタタ…。ハッ!」

music:6

上を見上げると灰色の何かがこちらをじっと見つめ、ゆっくりと長い腕を

伸ばし崖を降りてこようとしていた。

慌てて別荘に向かうが崖に落ちたせいで方向感覚が失われていた。

無我夢中で走り焦りながらも後ろを

振り返ると灰色の何かが追ってくる。

速くはない…だが、走らなければ追いつかれる。

「クソ!ここはどこだ!」

一刻も速く別荘に帰りたい気持ちで

冷静さを失い方向感覚がおかしくなってくる。

追いかけてくる灰色の何かは足音も立てずに追ってくる。

「見えた!」

やっと別荘の屋根が見えた

無我夢中で走り振り返らずに扉を開き

鍵を掛けて散弾銃に弾を込める。

散弾銃を握る手は震え、狙いが定まらない。

息を整え電話機の受話器を取り出し

須藤保安官に電話をしようとした時だった。

music:3

wallpaper:2314

灰色の何かがベランダの窓に張り付き

こちらを充血した目で睨み

血で溢れた口を開き

「ミィ〜ツゥケタ〜」

wallpaper:2186

私は気絶してしまった。

sound:9

雷の音で目が覚めた

慌ててベランダの窓に向かって

散弾銃を向けるが何もいない。

私は時間を確認して受話器を取り出した。

「もう2時か…と、とりあえず須藤保安官に助けに来てもらおう。」

sound:32

プルルルルッ、プルルルルッ

プルルルルッ、ガチャ

「もしもし、須藤です」

安心感からか声が震えていた

「須藤君、助けに…!」

ブツッ!プーップーッ、

突然、電話が切れた。

sound:8

突然の雷と風が家を揺らす

私は散弾銃を抱え家の隅に縮まりベランダと玄関を睨んでいた。

その頃、須藤保安官は電話番号を調べ高砂の別荘へと向かった。

荒れた山道を慎重に車で走り高砂の別荘に向かう。

すると、道の真ん中で須藤保安官は何かに気付く。

「ん?なんだ…あれ?」

薄暗いせいで車の中からでは

なんなのかわからない。

須藤保安官は車から降りてライトを当てる

「!?」

sound:9

雷の光で一瞬だけ全体像が見えた。

「な、なんだ!!」

wallpaper:2290

不気味な灰色の肌が光り雷の一瞬、一瞬の光で須藤保安官に近づく。

須藤保安官は慌てて車に乗り高砂の別荘へと走り出した。

sound:9

wallpaper:158

その頃…私は散弾銃を抱え鳴り止まない雷鳴にイライラしていた。

「いつまで鳴っているんだ!」

sound:14

ドドドッ!

屋根を這いずり回る音が雷鳴に隠れ

聞こえる

私は一心不乱に屋根にめがけて散弾銃を撃つ。

「くたばれ!化け物!」

散弾銃を撃ち終えると雷鳴、這いずり回る音が止んだ。

ーやったか?ー

そんなことを思った瞬間だった

突然、後頭部を殴られたような痛みが走り、崩れるように倒れ気を失った。

music:5

……………………………………………………………………………………………………………………………………。

眩しい光で目を覚ました…

「朝なのか?もしかして夢だったのか?」

ボヤける視界を見渡し目線を天井に向けた。

穴だらけの天井が見え綺麗な青空が見える。

「夢じゃないのか…」

To be continued…

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