今、私の部屋の隅では友人が泣き叫んでいます。
よく解らないのですが、なぜ『アレ』が見えないのと叫んでいます。
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────事の始まりは、私の家にお泊まりしていた友人がお菓子を買いにコンビニに行きたいと言った事でした。
私たちは部屋着のままサンダルを履き、歩いて5分ほどの位置にあるコンビニへ向かいました。
私の家からコンビニまでの間には、どれもこれも似たような家が並んでおり販売機ひとつありません。
家以外にあるとすればただひとつ『 赤い電話ボックス』です。
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最近では電話ボックス自体珍しいのですが、その近所の電話ボックスは少し様子が違います。
通常であれば色は緑で、形は長方形の箱のようなものが一般的だと思います。
でもその電話ボックスは赤い長方形の箱なのです。
もちろん外から中が見える透明な壁になっており、色以外は特におかしな部分はありません。
一緒にコンビニに向かっている友人はこの電話ボックスが苦手なようで、家に遊びに来る度に『道が怖い』と騒ぎます。
小さな頃から通っているいつもの道なので、私にはその怖さは理解する事はできないままです。
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電話ボックス前にさしかかると、友人が急に立ち止まりました。
「え? 嘘やばいよ……裸だよね?」
友人は私の腕に両手でしがみつくようにして後ろに引っ張ります。
私にはサッパリ意味がわかりません。
「ほらぁ……怖いよ。あれ女だよね?……え?」
その瞬間、友人はビクッと身体を震わせ私の腕を引きちぎらんばかりの力で引っ張り、叫びながら私の家に走りました。
友人は泣きながら鍵を開けろ早く開けろと錯乱していたので、とても冗談には見えなかった私はとりあえず家で友人を落ち着かせようと鍵を開けて中に入りました。
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家に入ると、友人はすぐにチェーンをかけて部屋の隅で怯えています。
理由を聞いても錯乱状態で全く落ち着く様子ではありません。
「なんで! なんでアレが見えないの! 嫌! もう嫌!」
────友人は今現在、泣き叫んでいます。
もうどうにも意味がわからないので書き込みました。
皆さんの知恵を貸してください。
「裸の……裸の女が血まみれで……居たじゃんか……ふざけないでよ!」
友人はそう言っています。
そんなものは居ないから落ち着いてと言い聞かせてみましたが、全く効果がないようです。
今、友人の目が急に見開いて口がカタカタ震えだしました。
友人の肩を揺すっていますがダメです。
救急車を呼んだ方がいいでしょうか?
目は見開いたまま一点を見つめています。
どうやら私の後ろを見ているようなので、ちょっと振り返ってみようかと思います。
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ああいみがわかろらむした
作者杏奈-3
久しぶりだー。やっぱり文は楽しいですね(´ω`)今度はホラーの本出したいな。