短編2
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私の瞳に映るもの

music:4

ねえ、そこのあなた?

そう、あなた。

私の話を聞いてくれない?

怖い話を聞きたいんでしょう?

なら、私の話を聞いて。

私は生まれつき左右の瞳の色が違うの。左目の瞳の色は黒だけど、右目の瞳の色は青なの。

そのせいか、他の人には見えないものが見えるの。

え?幽霊のことかって?

それもあるけど、それだけじゃないのよ。

私には未来が見えるの。

私の母は事故にあって亡くなったんだけど、私には1カ月前にその未来が見えていたの。でも防ぐことはできなかったわ。近くて変えることが難しい未来ほど鮮明に見えるの。

それで、私が最近見た未来の話をするわね。

日本が破綻する未来が見えたわ。

あまりはっきりとは見えなかったから、いつのことかはわからないし、十分変えることが出来る未来なんだと思う。でも、このままじゃ確実に私が見た通りになるわ。

だって考えてもみて?日本の国債は年々増えていってるのに、財政は国内だけでも破綻しかけているのよ。それに教育制度も問題があると思うわ。日本は皆と同じでなければいけないって考えが強いけど……

え?全然怖くないじゃないかって?

まあそう焦らないの。最後まで聞いて。

それでさっきの続きだけど、日本は皆と同じでなければいけないって考えが強いけど、それだと個性や才能が十分に生かされないじゃない?すると、個性を重視する国においてけぼりにされると思うのよ。他にも要因になりうるものはあると思うけど、とにかく私が言いたかったのは、今のままではいつか日本は私が見た未来の通り破綻するってこと。

え?やっぱり怖い話じゃないじゃないかって?

ねえ、まだ気づかないの?

私の話を最後まで聞いたあなたの瞳には、私の瞳と同じチカラが備わったのよ。

だからあなたにも未来が見えるはずよ。

見えない?

だったら目に意識を集中して。それでも見えなかったら、目を閉じて。

ほら、見えたでしょう。

あなたが………

いつの間にか背後に忍び寄っていた殺人鬼に殺される未来が。

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