今日はお客さんが来るってお母さんから聞いた。
お客さんはお母さんの昔の友達らしい。
お母さんがご馳走作るらしい。
「お母さん、買い物行って来るから、お客さん来たら開けてあげて。」
お母さんはそう言って行ってしまった。
ピンポーン
お客さんが来たみたいだ。
開けてあげよう。
ガチャ
「あの、ここは〇〇さんのお宅で間違えないでしょうか。」
ドアの前には男が立っていた。
「はい。そうですけど。お客さんですか?」
男は頷いた。
僕は入れてあげた。
「懐かしいなー。君が生まれる前だったかなー。ここに来たのは。」
お客さんは言った。
「あの…お母さんって昔はどんな感じだったんですか?」
僕は何となく聞いてみた。
「ああ、うん…。何て言うか…やさしかったよ。そうだ!写真を見せよう。」
お客さんは慌てた様子で写真を僕に見せた。
写真に写っていたお母さんは、今のお母さんと少し変わっていたけれど気にしない事にした。
お客さんの様子は少しおかしかった。
お母さんに会えるから緊張しているのかな。
しばらくしたら、鍵が開いてお母さんが帰ってきた。
「ダレ?」
そう言ったのはお客さんだった。
「バレナイトオモッタノニ。」
お母さんはそう言って包丁を手に取った。
作者山サン
定番かと思いきや…的なやつです。