music:4
昨晩の話です
旅館の話を書きましたが
その続きです
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寝苦しくて目が覚めました
また
あの音がする
トーントーントーン
トーントーントーン
トーントーントーン
廊下は2メートルもない
トーントーントーン
トーントーントーン
トーントーントーン
嫌だなぁ
トーントーントーン
トーントーントーン
トーントーントーン
1度気になると
眠れない
トーントーントーン
トーントーントーン
トーントーントーン
仕方ない
そーっと起きて
sound:28
タバコに火を点けた
フゥ〜
トーントーントーン
トーントーントーン
トーントーントーン
参ったなぁ
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吸い終わってしまい
またタバコに火を点ける
フゥ〜
時計を見ると
12:45
昨日より早い
布団の中で大人しくしてるか
動こうとして
ガタン
テーブルに足を打つけた
しまった
music:6
トーントーントーン
………………………………………
音が止まった
直ぐに
自分のいる部屋に向かって
ドタドタドタドタドタドタ
足音がきた
扉は閉まっているが
襖の向こうには
何かがいる気配がある
必死にどうしたらいいか
思考を巡らす
どうしたら
どうしよう
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スゥ〜
襖がゆっくり開く
そこには
眼球の部分が真っ黒な穴の空いた
人影がいた
両手を前に出して
ゆっくり部屋に入ってきた
ズリズリズリ
ズリズリズリ
すり足の足音が部屋に響く
部屋の中をゆっくり歩く
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息を殺していて
少し分かったことがある
コイツは眼が見えない
そーっとテーブルの上にあった
空のペットボトルを手に取り
襖の開いた廊下に投げた
カーンカーンカーン
4、5回ほど跳ねて廊下に転がっていった
途端に
グルン
人影の首が廊下に向いた
そいつは四つん這いになると
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
廊下に向かって行った
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そして
………………
……………
…………
………
……
バキバキバキ
ペットボトルの砕ける音が聞こえ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
地の底から響くような唸り声とも
叫び声にも似た声が響いた
そして
また
トーントーントーン
トーントーントーン
トーントーントーン
音が廊下を越えて遠ざかっていく
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music:4
助かった
フゥ〜
深いため息を吐く
疲れた
ガックリと身体に疲労感がきて
布団に潜り込み
もう一度寝ようと目を瞑る
5分くらいだろうか
意識が夢の中に遠くなっていく
すぐ耳元で
「次はないよ?」
確かに聞こえた
少女の声が
作者T-HIRO
少し考察をしてみましたが
トーンという音は少女で
ドタドタという音は大人の影
そう感じました
朝起きたら廊下にグチャグチャになったペットボトルがありましたがそっと片付けました
今晩からは部屋に結界を張って寝ようと思います