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短編2
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黒い雨

これは私が某賃貸住宅の1階に住んでいたころの話です。

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私の住んでいた賃貸住宅は2階まであり、各階2部屋の合計4部屋の住宅でした。

間取りは1Kの小さな部屋でしたが、一人暮らしには充分でした。

その住宅には私の上の階におじいさんが一人住んでいるだけで、残りは空き部屋となっていました。

「どうせなら上に人がいないほうの部屋が良かったな」と当時思ったのを覚えています。

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住み始めて1年ほどたった真夏のある日、アルバイトに行くために朝早く家を出ようとすると、玄関口に2階のおじいさんが立っていました。

「お、おはようございます・・・」私は不審に思いながら挨拶をしました。すると、

「傘はいらんか?」とおじいさんは聞いてきました。

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傘?今現在晴天ですし、それに天気予報でも今日は終日晴れと言っていたはずです。

私は若干呆れながら「あ、大丈夫です、今日は晴れみたいなんで。」そう言って、家を出ました。心の中で「ボケてんのかなぁ」など不謹慎なことを考えていました。

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結局やはり雨は終日降らず、やっぱボケてたのかと嘲笑しながら帰宅しました。

その日の夜は、その年の中でも特に暑かったと記憶しています。

夜、なかなか眠れないでいると、

「ポツ、、、ポツ、、、」と水滴が顔に落ちてきました。

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え?雨漏りか?とも考えましたがここは1階です。

「上のじいさん何か水でもこぼしたんじゃねーだろうな」と怒り気味になって起き上がると、また「ポツ、ポツ」と水滴が落ちてくるのです。

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仕方なく電気をつけ天井をみると、

shake

「うおぉ!」つい声が漏れてしまいました。

天井には人型の黒いしみができており、そこから黒い水滴がしたたりおちていたのです。

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私はすぐに2階に上がりおじいさんに苦情を言おうとしましたが、出てきません。ためしにドアノブを捻りドアを引いてみると・・・キィィーッと音を立てドアが開きました。

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「おい、じいさんかんべんしてくれよ!!」怒り任せに玄関先で叫び、家の中に入りました。すると、

shake

おじいさんは溶けてました・・・

布団の上で横たわっていたであろう場所には黄色と白の色、そして黒い液体が布団からも漏れて床にまで浸食していました。

のちに分かったことですが死後20日は経っていたそうです。

・・・・・・・私が見たおじいさんは、、、

黒い雨-完-

Concrete
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