心霊地でポケモンGO③ 神社でカビゴンの巻

中編5
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心霊地でポケモンGO③ 神社でカビゴンの巻

今回のお話も知り合いの絵梨花さんから聞いたお話です。

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「カビゴンのレアリティがたまに出現するというBランクですって!?」

最近、私はポケモンGOというゲームにはまりました。

レアなポケモンを捕まえるために心霊スポットに入り、ひどい目にも遭いました。

しかし、懲りずに今もプレイしています。

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先ほど私が絶叫したカビゴンというのは眠っている熊のような姿のレアなポケモンです。

強さもピカイチでしたが、なにより姿が可愛いので捕まえたくて仕様がありませんでした。

しかし、その姿を影すら見たことなかった私は当然SSランクのトップレアのポケモンだと思っていたのですが、インターネットで見たポケモンGOの攻略サイトではランクはBランクとなっていて驚愕したのでした。

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「そんなバカな、私だけどこか別の世界に存在しているとでもいうの?」

焦った私は一つの方策を思いつきました。

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「よし、神様にお願いしよう」

困った時の神頼みという考えに至り、私はすぐさま馴染みの神社へと向かいました。

山の中腹に車を止め、石段を登って目的の神社に辿り着きました。

神社はポケモンGOのアイテムをくれるポイントにも設定されているので、まずはアイテムをゲットし、その後お賽銭を奮発して五百円投げ入れてカビゴンが捕まえられますようにと神様にお願いしました。

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「今日は椎奈ちゃんは一緒ではないのですか?」

不意に後ろから声をかけられました。

振り向くとこの神社の娘さんの真央さんが挨拶をしてくれました。

真央さんは強い霊媒体質の娘に同じ立場から専門的な指導をしていただいていて、私たち家族はとてもお世話になっていました。

「はい、今日は私一人だけです、ポケモンGOの散策中でもありますが、えへへ、といっても真央さんポケモンGOなんて知りませんよね」

巫女をしていることもあり、俗世間の影響を感じさせない雰囲気の真央さんですからゲームのことなど無縁と感じました。

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「ポケモンGOですか、自宅の神社がアイテムのもらえる場所で、対戦施設にもなっていますから、興味本位でたしなんでいますよ」

その答えに私は驚きました。

浮世離れした堅物の彼女がピカチュウゲットですよ、などとポケモンGOをプレイしている場面が想像できませんでした。

それにしても自宅でそのままアイテムがもらえて対戦もできるなんて、ものすごく恵まれた環境で羨ましいと感じました。

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「ああ、いいなあ、そうか、神社ですもんね、神様さっきのお願いよろしく頼みます」

私はもう一度境内に向かってパンパンと手をたたいてお祈りをしました。

「あらあら、なにを熱心にお願いしたんですか?」

真央さんがにっこりと微笑んで尋ねてきました。

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「いやあ、どうかカビゴンを捕まえられますようにと」

「は?」

真央さんは氷のように突き刺さる声を発しました。

表情は笑顔のままですが、眉間にしわが寄っていました。

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「・・・そんなことを神様にお願いしたんですか?」

真央さんは冷たく言い放ちました。

「ま、まさか冗談ですよ、し、失礼します」

かすかに空気が震えるような怒気を感じてしまった私は逃げるように神社から出ました。

そして、私は神社を出てすぐにスマホを取り出して、さっそくポケモンGOを起動しました。

石段を一番下まで下りてスマホを確認すると画面に大きな熊のようなシルエットが出現していました。

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「か、かかか、かかかかか、カビゴンだ、さっそく出ました、神様ありがとうございます!」

私は興奮しながら捕獲画面に入りました。

しかし、その画面を見た途端、不穏なことに気が付きました。

「なんで、ボールが二個しかない!」

なんとポケモン捕獲用のボールの残量が2と表示されています。

思い当たる理由は一つしかありませんでした。

娘が私の知らないうちに自宅でプレイしたようでした。

「自宅プレイはボールをゲットすることができないから控えてって言ってるのに!」

叫びながらも私は残されたたった二個のボールに願いを込めてカビゴンに投げました。

しかし、願いもむなしくカビゴンはボールをはじき返しました。

ボールが底をついた私はいったん捕獲を諦め、神社に戻ってボールをゲットしようと考えつきました。

すぐに先ほど降りてきた石段を駆け上がりました。

しかし、激しい石段登りに私の心臓と足は悲鳴をあげました。

吐きそうな動悸の中、神社で再び捕獲用ボールを二個ゲットした私はまた石段を駆け下りカビゴンのところへ行きました。

「こ、今度こそ、お、おねがい」

しかし、私の願いもむなしくカビゴンは私の投げたボールから簡単に脱出してきました。

またしてもボールの尽きた私は死にそうな思いで再び石段を駆け上がりました。

余りの体中の苦痛に私は気が遠くなりそうでした。

身体ががくがくと震え、口はまるで金魚の様にぱくぱくと動くのに声も出なければ酸素も吸い込めませんでした。

目の前が暗くなって、頭を乱暴にゆすられたようなめまいがしました。

最後は這うような姿勢で神社に到達し、またボールをゲットしました。

息も止まりそうななか、朦朧とした意識で階段を踏み外してゴロゴロと転がり落ちないようにするのが精いっぱいの体で最後の力を振り絞って石段の一番下におりました。

しかし、そこにはすでにカビゴンの姿はありませんでした。

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私の体はひざから崩れ落ち、目からはとめどなく涙があふれて絶叫しました。

自分自身、ああ、これが号泣というものなんだと感じていました。

私はその場から動くことすらできませんでした。

世の中にこんな絶望が存在するなんて・・・・

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嗚咽を漏らし続ける私のもとへ、神妙な面持ちをした真央さんがゆっくりと近寄ってきてくれました。

「真央さん、わたし、わたし・・・」

「・・・天罰ですよ、絵梨花さん、少し頭を冷やしてください」

真央さんの戒めの言葉に私はようやく自分のしてしまった愚かな過ちに気が付きました。

涙と鼻水で汚れた顔のまま、真央さんの胸に顔をうずめて謝りました。

そんな私を真央さんは優しく抱きしめてくれました。

彼女の柔らかい胸と巫女装束の心地よい感触に魂まで癒されるようでした。

思いっきり泣いて清々しい思いで家に帰り、さっそく家族にその話をしました。

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・・・旦那どころか娘にまで烈火のごとく怒られました。

私は再び額を床に擦り付けて土下座したのでした。

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初めて少しした頃、フリーザーのシルエットがありチャリかっ飛ばしたけどゲットどころか出現すらせず、チャリで近辺走りまくって疲れ果てたのを思い出しました...天罰ですかね笑

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あ、すいません。カイロスじゃなくてカイリューでした…ひひ…

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ラグト先生、実は僕も生●神社でカイロスにいいようにもて遊ばれて、同じような目に遭いました…ひ…

て、天罰だったのですね…ぐすん…

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ふたば様、はいあの神社はポケストップでジムでもあります。
そして黒川先輩がカニ好きという情報まで覚えていてくれてありがとうございます。

「うふふ、今こそ私のキングラーが火を噴くわよ!」
「いや、キングラー、火は噴けないと思うんですけど」
「あっ、じゃ、じゃあ、私のキングラーが泡を噴くわよ!」
「それ、だめっぽい!」

こんなかんじ?
なんか、かわいい(笑)

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