wallpaper:10
俺は小学3年生。
母さんとちょっとした事で言い合いになってしまった。
「もう知りません!勝手にしなさい!」
「分かったよ!もうこんな家出てってやる!」
バタン……
shake
nextpage
wallpaper:10
「あ〜どーしよー」
家出すると言ったものの、行くあてなどない。
「友達の家に行きたいけど、おばさんに事情を聞かれたら俺の母さんに電話するに決まってる!
しょうがないから公園に行ってみるか…何もしないよりマシだし…」
nextpage
wallpaper:10
公園に着いたら雨が降ってきた。
特にやることも無く、木の下のベンチでボーッと色々考えていた。
授業の事とか、好きな子とか、面白い話とか、
nextpage
wallpaper:62
怖い話とか。
nextpage
wallpaper:10
1人でいる時は何故か結構怖い事思い出す、嫌な癖だ。
雨が降っている音で気分を紛らわそうにも、今度は雨に関連する怖い話を思い出した。
最近は精神異常者の通り魔がいる事さえも思い出した。
逃げ道が作れない。不安が膨れる。もう帰ってしまおうか?今ならまだ許してくれるはず…!
…………………………ダメだ。
nextpage
wallpaper:10
小学生にだってプライドはあるんだ!
ここで諦めちゃいけない!大事なのは辛抱だ!我慢だ!
自分に言い聞かせた。
そうしているといつの間にか雨も止んでいた
nextpage
wallpaper:138
気付いたらもう夕暮れ。今夜の寝床を探そうとしたその瞬間、
公園に1人の男が背を向けて立っていたのに気がついた。
何をしてるんだと近づいたら
「59………59……」と小声で呟いていた。
こちらに背を向けているので顔は見えない。
nextpage
wallpaper:138
見なくても、この男が異常だと判断するには充分だった
何故なら少しだけ血生臭いのだ。まさか例の通り魔…
しかし、もしかしたら出血してるんじゃ?
だとしたら声をかけて助けないといけないのでは?
でも怪しい。疑問が頭の中で迷走する。結果声をかける事にした
「なにしてるんですか?」
nextpage
wallpaper:533
-
shake
nextpage
wallpaper:532
体を動かさず、首だけを回し、
こちらを見た。笑顔で。
「…‼︎‼︎」
小3の俺でも分かった。コレはやばい。
nextpage
wallpaper:532
足が震えて動かない。
そいつはゆっくりと近づいてきた。
「オまえ、ガ、ツぎノ、カざりカ?!」
血生臭かったのは、奴の胴体がこちらを向いた時に気付いた。
何人もの顔の皮が胴体に縫い合わされていた
nextpage
wallpaper:256
何人も
wallpaper:498
何人も
wallpaper:530
何人も
nextpage
wallpaper:532
逃げる準備など、巨大な恐怖の前には通用しない。
仮に走れたとしても、簡単に追いつかれてしまう。
結果逃げる事は愚か、足を動かすこともできず、気付いたら刺されていた。
痛みよりも恐怖の方が大きかったようだ。
nextpage
wallpaper:533
「イイイえデエ、なンてしチャだメだヨおおオオォッぉ」
奴は顔を近づけてそう言った。
俺がくだらない意地を張ってなかったら、
死ななかったのかな?
nextpage
wallpaper:3452
遠のく意識の中、最後に奴はこう言った
nextpage
wallpaper:535
「…60」
作者どどめいろ
実は少しだけ体験談が混ざってます。