music:1
「私の名はアーカード…カフマンに会いに来た」
アーカードは辺りを見渡し監視カメラに気付き
ガードマンにカフマンのいる部屋に案内する。
長い洋館のような廊下を歩きエレベーターに乗る
12F…53F…125F…と階数の数字が増えていく。
エレベーターが目的の階数に到着すると扉が開いた。
真っ白な廊下の先に青と赤のランプが点灯しており、真っ白な廊下には似つかわしくない扉があった。
ガードマンはエレベーターから降りず
「このままお進み下さい」
アーカードはエレベーターを降りて頷く
ゆっくりと歩き始め扉に近付くと赤のランプが消え、ガチャ!という音を立てて扉が開いた。
「ようこそ、超常現象調査委員会本部へ」
部屋の中は本棚が四方を囲み、その中心にお菓子が置かれたテーブルと、ゆったり出来る椅子があるだけだった。
その椅子にカフマンが座っていた。
「アーカード…あなたの噂は聞いていたよ。まさか実在するとは…」
アーカードは部屋の本棚を見渡し一冊の本を取り出した
「キゾクとの戦いを終えた私は人間によって捕らえられ封印されていた。」
カフマンはアーカードの姿を目で追っているが
アーカードの気配を掴めなかった。
そこにいるのに見つからないという状態と言った不可思議な現象だ。
アーカードは微かに微笑みを浮かべ
「伝説は何も無い所から湧いてこない。長く生きられない人間の想像力など当てにならん」
カフマンは紅茶の入ったグラスを左手で持ち、紅茶の香りを楽しむ
「ここへ来た目的は何…」
本棚を眺めていたアーカードはピタリと動きを止めて、ゆっくりと振り返り一枚の布切れをテーブルに置いた。
カフマンはグラスを置き布切れを注意深く観察する。
アーカードは古びた本を手に取り開く
「それはアマゾン奥深くの遺跡から発掘されたロンギヌスを包んでいた布切れだ」
カフマンは布切れを置いて
「なぜ、これがロンギヌスを包んでいたと?」
独り言のような違和感を覚えながらアーカードに問い掛ける
「その遺跡で、かつてナチスの残党が隠したと噂を聞いてな。それが本当であれば現物を回収し、お前に渡そうと思ってな」
アーカードは古びた本を本棚に戻し
「だが、回収しに向かった時には何者かがロンギヌスの力を行使してアマゾンの一部は焼け野原になった。」
カフマンは顎に手を当てて考える
「ロンギヌスを手にした人物…まさか髑髏星では」
すぐさまアーカードは否定する
「それはない。あの力に耐えられる人間はいない、現にロンギヌスを直接触れたヒトラーは灰となった。」
ロンギヌスの槍の一部は現代においても魅力のある存在である。ロンギヌスの槍を手にした者は世界を支配する程の力が手に入るという。
ヒトラーは真意は不明だが、ロンギヌスの槍を手に入れ、その恩恵を得ていたとされている。
しかし、ロシアの進軍でヒトラーは焦りロンギヌスの槍を直接手に取り対抗しようとしたが、ロンギヌスの力に耐えられず燃え尽きた。
直接触れることは人間には不可能。
触れた人間はロンギヌスの力に耐えられず燃え尽きる。燃え尽きるというのは体内の代謝を極限まで高めてしまい体温が急上昇し、その熱で自然発火現象を引き起こしてしまう。
半径1メートル内に存在する物、生物に多大な影響を及ぼす。
ロンギヌスの槍が引き起こす現象は諸説あり、魔道具の一部なのではないかと研究職員は語る。
しかし、本物が発見されていない現在、その真意は不明である。
注意!この物語でのフィクションです!
アーカードはドアノブを掴み
「カフマン…お前もわかっているとは思うが、大規模な戦争が起こる、覚悟はしておくんだな」
カフマンは眉間にシワを寄せて頷く
「わかっています。アーカード、これからの予定は?」
アーカードは微かに笑みを浮かべ
「アメリカに向かう。雑種共が調子に乗っているようだからな。調教でもしてくる。」
カフマンは紅茶が入ったグラスを手に取り
「そうですか…お気を付けて」
アーカードは振り向きもせず部屋を後にした。
作者SIYO
なかなか最近、書けてないですねー(p_-)
風邪は引くし、夜型人間になってきてます(p_-)
続編を楽しみに待っている方々に申し訳ないです(p_-)
できる限り投稿していきます(((o(*゚▽゚*)o)))