廃屋の 窓辺に揺れる 首風鈴
nextpage
天井に 貼りつき睨む 女かな
nextpage
満天の 星空流る 人の魂
nextpage
車道にて 探してるのは 我が部品
nextpage
黒髪の のれん掻き分け こんばんは
nextpage
山の中 地中に眠る 生仏
nextpage
先を行く 自転車の子の 首が落ち
nextpage
雑踏に 紛れて消える 薄い人影
nextpage
譲り合い お先にどうぞと 人が押し
nextpage
赤面の 君にひかれた くるまみち
nextpage
見つめ合う 君のせいだよ 金縛り
nextpage
手招きす 優しい祖母は もう故人
nextpage
喝采の 音は皆の 裏拍手
nextpage
あ いたいよ ひとつき毎に 嗤う君
nextpage
叫べども 声は泡へと なりにけり
nextpage
「曲がってる」 妻が直すは 首の縄
nextpage
頬染めた 赤が胸まで 滴るる
nextpage
君想い 夜毎通った 刻参り
nextpage
カタカタと 毎晩嗤う ドアポスト
nextpage
はいチーズ 記念写真の 君は誰
nextpage
はかなくて 君の花壇が 君の墓
nextpage
待ってよと 高速道路を 駆ける君
nextpage
キレるなよ 視線の先の 命綱
nextpage
何もない 天井見つめ 吠える犬
nextpage
すみません わたしの足は 何処ですか
nextpage
颯爽と 地面を蹴って 崖下へ
nextpage
いきたいと 願う子抱いて 死出の旅
nextpage
川下へ 浮きつ沈みつ するパーツ
nextpage
気怠くて 両肩重い 憑かれたな
nextpage
人の輪の 中心にいる 骸かな
nextpage
嬌声が 悲鳴と怒号に 変わる空
nextpage
「これ誰の」 それはあなたの 右手です
作者ろっこめ
なるべく短く怪談しようと思ったら、17文字がが限界でした。
何とか形にはなっているかな? とは思います。
今度は短歌くらいにしようかと思います。