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中編5
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嫌なお迎え

グーグルマップで見ると、色々な物が見つかる。

人里離れた場所にポツンと現れる集落や村も見つかる。ついついはしゃいだ俺たちは、怪しい風習を期待して車で出かけていった。

あにはからんや、ただの温泉街だった。

まぁこんなもん。そう思っていた。

折角だからと、少し遠回りして帰る。

森、森、木、山、岩、自然に感激できる感性があれば違っただろうが、俺たちはそんな感性なかった。

ただただ、退屈で、休憩を挟みつつ事故に気をつけて帰るだけだった。その筈だった。

何度目かの休憩の時だった。

「おい、あれ見ろよ」

注意を促されてみると、立ち入り禁止の看板。

「見えたぞ、で?」

薄ら笑いを浮かべている。こいつがこういう顔するときは、大概下らない事考えてるもんだ。

「看板があるって事は、あの先になんかあんだろ?見てこようぜ」

顔を見合わせるが、存外、俺以外は乗り気のようだ。

「立ち入り禁止ってことは私有地か危ないかだろ、どっちにしろ辞めとこうぜ」

せめてもの抵抗を口にするが、多分無駄だろう。

「私有地でも何も壊さなきゃ良いだろ?ヤバそうだったらすぐ車戻れば良いさ」

ああ、なんも聞いちゃいねぇ。

そして興味ないと言えば嘘ではある。

俺たち三人は、看板を乗り越えて入った。

看板の向こうは道だった。殆ど人が通ってないのだろう。看板を立てた時点では車が通れる幅だったようだが、そのときは俺らは縦に並ばないと進まなかった。

道を進むと、そこは村だった。自然に浸食され、人が住んでいた面影は薄くなっている。

「ああ、ここ知ってるわ」

勝手に手近な小屋に潜り込んだあと、話し始めた。

「少し前になんかの記事で出てたわ。ここの最後の村人が、都内の病院で死んだとか何とか」

「結局都内で死んだのかよ。風情がないな」

どうでも良いような事を三人で話した。

「折角だしよ」

嫌な予感。

「泊まってこうぜ!」

やっぱり。

二人は完全に乗り気な上に、三人共春休みで暇だ。憐れな抵抗を試みるしかない。

「立ち入り禁止ってあったろ?多分クマとかイノシシとか出るぜ?危ないんだよ辞めよう」

馬耳東風とはこのこと。ろくに聞きもせず、泊まる用意をしてる。まだ明るいってのに。

用意がいいんだが悪いんだか、軽いオヤツくらいはある。絶対後から腹減るが。

火もあるし、火事に気をつければ問題ない。気をつければ。

あんだけ抵抗しつつ、はしゃいでしまった。酒がないのを悔やみながらも、バカみたいに騒いでいた。

「おい、静かにしろ」

突然、えらく剣幕で止められた。

「なんだよ。うっせぇな」

「ちょっと耳すませ」

何かを引きずりながら歩く音。

「管理人とかか?」

「よく考えたら、看板あるんだから誰かが管理してんだろ」

「ヤバくね?捕まんの?」

ヒソヒソと焦る俺たち。

「ちょっと覗いてくるわ」

そっと顔を出し、覗いている様子を、固唾を飲んで二人で見守った。

「動物だった?」

クマでも餌出せばなんとかなるんじゃね?とは思ってた。

「……」

無言で見つめ続けている。

「なんなんだよ!」

声を押し殺しながらも、確認をせっつく。

「……管理人ではないし人間だけど、見つかったらヤバイだろうな」

珍しく歯切れの悪い事を言う。

「そうだなぁ…あ!やべ!」

急に顔いろが変わり、転がしてた財布とスマホをしまった。

「逃げるぞ!やべえって!」

なんなんだ。

「管理人じゃなさそうなんだろ?ちょっと話せばわかんじゃないの?」

「マジでヤバイんだよ!良いから走れ!出ろって!」

なんだなんだ。怒ってんのか。

何かを引きずる音、早い。そして走ってるであろう足音。激怒ってやつかね。

さっきまで覗いてた癖に、もう小屋の反対側の脆そうな部分を蹴破って外に出てる。

「急げ!」

そう言い残し、残された俺たちを放って外に飛び出した。

話せばわかるのでは?と思って振り向いたが、一瞬で察した。

いつから切ってないのか、わからない長髪と髭、濁った目、洗ってなさそうな黒い服、穴の開いた靴、そこまでは良い。

右手にはデッカいナイフ。左手には古びた人形(だったであろう物)

ナイフを振り上げ、走ってる姿が見えた。

ヤバイ死ぬ。気がつけば飛び出していた。

ともかく無言で追ってくる。

車の、車の位置まで。

その一心だったのは皆同じらしい。

「エンジン入れとく!早く来い!」

置いてかれない事を願うばかりだ。

建物を縫うように駆け巡った。どこがどこやらわからない。恐らく広場だったのだろう。偶然三人集まった。

「来た道見つかったか?」

沈黙、それしかなかった。

逃げ回ってるからか、見つからない。

息を落ち着かせながら、相談しようとした。しかし時間はなかった。

回り込んで居たのだ。音も立てず。不意に足が熱くなった。ナイフの峰打ちで足を殴られた。近くで見ると錆びている。

動揺した二人も手際よくやられた。一人は金的を蹴り上げられ、泡を吹いていた。最後の一人は首を絞められ、失神した。俺が1番マシだった。

うずくまってやり過ごすのが良いのかも知れない。息を潜めて機会を待つ。

鼻息がかかる。近い。多分匂いを嗅いでいるのだろう。鼻でしきりにスンスン言ってる。

猛烈な悪臭と柔らかい感触が顔に当たる。持っていた人形を押し付けられていた。

わけがわからない。

薄眼を開けようとしたら、首に何かを巻きつけられた。意識があったのはバレてたらしい。

バタバタと暴れたのを最後に、記憶を失った。

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目が覚めた。

まず財布を確認。ある。スマホもある。

脚が痛いし首が痒いが、あとは無事だ。

「おはよう」

全員、車の脇に転がされていた。

ふと思う。

「猛烈に不器用な人で、帰り道教えようとしてくれただけだったのかもな」

四人で小さく笑い、車に乗り込んだ。

運転していた奴が全員に聞いた。

どこに行きたい?

一人が言った。

「おろして欲しい場所があるんだけど」

みんなで快諾し、そのまま進んだ。

車内はひたすら無言だった。

何時間かかったろう?待ち合わせをしてるらしい。そこで一人おろした。

そいつを残して車が出る。良い笑顔で手を振っていた。やっぱりあいつか、みな無言で思ってた。

二人は自宅を頼んだ。また暫く無言が続き、ポツリともらした。

「あいつは、いつから待ち合わせてたんだろうな」

「さあね」

また無言が続いた。

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すみません、全然意味が、わかりませんm(._.)mわたし理解能力やくてm(._.)mどーゆーことですか?

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