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『おもいで』1ねん1くみ 山田けいこ

中編5
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『おもいで』1ねん1くみ 山田けいこ

『おもいで』

          1ねん1くみ  山田けいこ

 せんしゅうの日ようびにおかあさんとわたしとふたりで、おかあさんのともだちのいえへあそびにいきました。

 おかあさんのともだちは、やさしそうなおじさんでした。

 その人とあうのははじめてだったのですごくきんちょうしました。

 でも、わたしのためにイチゴのケーキをかってくれていたのでとてもうれしかったです。

 おかあさんとわたしとおじさんの三人でケーキをたべました。

 そのあと、おかあさんとおじさんはべつのへやにいきました。

 おかあさんはわたしにおとなしくまっていなさいと、やさしくいいました。

 わたしは「はい」といって、うなずきました。

 いうことをきかないとおかあさんにおこられるので、はじめはケーキをたべたへやでまっていましたが、だんだんとたいくつになってきました。

 おじさんとおかあさんが入ったへやにちかづくのはぜったいだめだとおもったので、はんたいにあるおふろばとトイレのあるほうへたんけんにいきました。

 トイレはすいせんトイレでした。ようしきで、うちとおなじだとおもいました。でも、うちのは、ほうこうざいのいいにおいがしますが、おじさんちのトイレはすごくへんなにおいがしました。それにすごくきたなかったです。

 はやくおかあさんのようじがすめばいいのにとおもいました。だって、もしおしっこにいきたくなったら、ここでおしっこするのがきもちわるかったからです。

 つぎは、おふろばを見にいきました。ガラスのとびらをあけると、トイレよりももっとへんなにおいがしました。やっぱり、おふろばもあまりきれいじゃなかったです。

 おゆをためるところにはふたがしまってありました。

 おかあさんはおゆをはったままにしておくのがきらいですぐすててしまうので、うちにはふたがありません。

 まえに、ゆうこちゃんのいえでかくれんぼしたとき、おゆをためるところに入って、ふたをしめてかくれました。ぜんぜん見つからなかったので、おふろのふたすげーっておもっていたので、わくわくしました。

 おふろばのゆかは、へんないろでよごれていました。中に入るとぬるぬるしてきもちわるかったのですが、ふたであそびたかったのでがまんしてそのまま入りました。

 そっとふたをあけると、「おえ」ってなるようなにおいがして、はえがいっぱい出てきました。

 びっくりしてふたをおとしそうになりましたが、なんとかささえました。大きなおとが出なくてよかったとおもいました。

 おゆをためるところに入って、ふたでやねをつくって、おうちごっこをしようとおもいました。でも、中をのぞくといっぱいかおが入っていました。

 大きなかおや小さなかおが、あかいようなくろいような水の中にういていました。

 大きなかおはおとなの女の人で、小さなかおはあかちゃんです。大きなかおは、きれいなおばさんだなとわかるものもありましたが、いくつかはよくわからないぐちゃぐちゃのかおになっていました。

 こめつぶみたいな虫がびっしりついていて、それがもぞもぞうごいているのでとてもきもちわるかったです。

 あかちゃんにも、虫がいっぱいついていました。ひとつひとつが男の子か女の子かわかりませんでした。

 ゆうこちゃんのいもうとみたいに、だっこするのがおもいあかちゃんではなく、こざるみたいな、小さな小さなあかちゃんだったのでせいべつがわからないのかなとおもいました。

 どれもこれも目と口がぬわれていました。なんだか、いたそうだなとおもいました。

 口はきっちりととじてぬわれているのに、目はすきまがあいて、糸のむこうに目玉が見えていました。ぜんぶの目にじっと見られているみたいで、ぜんしんがふるえてきました。はやくもとにもどして、へやにもどらないといけないとおもいました。

 音をたてないようにふたをしめて、おふろばから出ようとしたのですが、入口におじさんが立っていたのでびっくりしました。

 おじさんは目と口がぬわれたおかあさんのあたまをもっていました。

「なんで女っちゅうもんはけっこんしたがるかねぇ」

 おじさんはやさしいかおで、わたしにわらいかけました。

「ごていねいににんしんまでしくさって」

 なにをいっているのかわかりませんが、そういいながら、もう一つの手にもっていた小さな小さなあたまも見せてくれました。小さすぎたのか、それは目も口もぬっていませんでした。

「おまえはまだまだにんしんするような年じゃねえなぁ。てことは、なにやってもいいわけだ。よし、きょうからおまえはここにすめ」

 きょうからここにすめというところしかいみがわからなかったのですが、わたしはこわくてたまらなかったので「いやだ」となきました。

「でもなぁ、おまえのかあちゃんはもういないんだよ。おまえはひとりで生きていけないだろ。なあ」

 さいごの「なあ」が、ねっとりしていてきもちわるくて、わたしはよけいなきました。

 おじさんのかおがきゅうにこわくなって、おくのへやから見たこともないおおきなほうちょうをもってきたので、わたしは口をおさえてなきやみました。そうしないとくびをきられ、目と口をぬわれるとおもったからです。

 そういうわけで、わたしはいまおじさんのいえから学校にかよっています。

 おじさんはわたしがおとなしくしていると、ほうちょうをもってくるこわい人にならないので、どんなにいたくても、きもちわるくても、じっとしています。どうしてもなきたいときはこえを出さずになくようにしています。

 でも、もし、わたしがにんしんしたら、おかあさんのようになってしまうのでしょうか。

 にんしんはおとなにならないとしません。

 わたしはおとなになりたくないです。  

                  おわり

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 先生より

 たいへんよくかけてます◎

 けいこちゃんのそうぞうりょくとぶんがすごくじょうずなのがよくつたわりました。

 でも、先生は『おもいで』というタイトルで、さくぶんをかいてほしかったです。

 さくぶんとおはなしづくりはまたべつのものなのですよ。こんどからはきをつけてくださいね。

 ところでとてもじょうずだとおもうのですが、先生はこんなこわいおはなしをそうぞうするけいこちゃんのこころがとてもしんぱいになりました。いちどおかあさんとおはなししようとおもうのですが、でんわをしてもれんらくがとれません。

 それで、こんどかていほうもんしようとおもいますので、おかあさんにそうつたえておいてください。

Concrete
コメント怖い
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修行者様
コメント、怖ポチありがとうございました。
胸糞話すみません( ̄▽ ̄)> 現在、過去に書いたものを書き直して投稿してますが、似たような話がうじゃうじゃ。そして子供にどうこうするのもうじゃうじゃ。
ニュースで事件を見て感じたことをアイデアにするのでこういうもの多いです。これは友達が描いた絵から発想しました。読んでいただけて嬉しいです!

mami様
コメント、怖ポチありがとうございました。
ひらがな仕様のもう一つの拙作は漢字を検索しないで適当に書いたのですが(面倒で・・・)これはちゃんと調べて書きました(1年生の漢字少ないので(≧◇≦)>)
ただ、習う時期もあるので、主人公は1年生のどの時期だとか設定して、もっとちゃんと書くべきだろうな。習う漢字全部入れたから・・・もうすぐ二年生という設定でいいかと考えると、タイトルは『1年生のおもいで』とかにしたほうがよかったななどと今頃後悔するわけで( ̄▽ ̄)
まあ、投稿してしまってからでも、推敲とかするの楽しいです。
現実ならこんなこと書く生徒に何か身の危険がと、先生はすぐ気付くと思うのですが、このお話の中の先生は気付かない人という設定で。そういうことをちゃんと描写出来たらいいのですが、読む方の想像力に頼ってしまうという未熟さ。いまだに、どこまで書いてどこを書かないという明確な線がわかりません。ずっと勉強中です(≧◇≦)vデモタノシイ

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月舟様
コメント、怖ポチありがとうございます。
いつもうれしいお言葉ありがとう!励みになります。
趣味か・・・そう趣味だよな。でも脳内のみ変態で、実際の子供たちには危害を加えませんよ。当たり前ですが(≧◇≦)
人からいつも笑っている穏やかな人と思われていますが、それは裏の闇が深いからで、こういう妄想を書くことによって昇華しているから表に出ないんですよね。書かなかったら結構ヤバい人なんだろうな。きっと。ちなみにツイッターで診断メーカーなるものをよくするのですが、あれって本人がどうこうではなく、勝手に導き出されるものらしいんですが、見てんのかーっていうぐらい当たってるんですよね。この間はものすごいスケベっていう答えが出た。あと変態度もいつでも高い(≧◇≦)
メセボ待ってまーす!

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読んでくれた方々、怖ポチくれた方々へ
いつもありがとうございます。個々へお礼に伺わなくてごめんなさいm(_ _)m
力貰って感謝してます!

珍味様
コメント、怖ポチありがとうございました。
そうです。先生も・・・先生がどっちの家に訊ねるかとかなどの詳しいことは考えないでください( *´艸`)ツッコミドコロマンサイデスガ・・・

ラグト様
コメント、怖ポチありがとうございました。
ラグトさん、珍味さんのお言葉で、
先生も毒牙にかかり妊娠してその子を守るために戦う、先生とおじさんがいい仲になったことにけいこが嫉妬して二人を殺す、先生は毒牙にかかることなくけいこを守るために戦うなどなどいろいろ想像してしまいました。

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