皆様、怖い遊びってしたことありますか?
あまり、安易に試してはいけないものもあるのでお気をつけ下さい。
今回は少し怖がっていただけると嬉しいです。では。
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今日は同窓会だ。中学校の同級生が集まる同窓会、俺は久しぶりに会う友人と会話を弾ませていた。それと一緒にもちろん酒も進んだ。
俺には中学生の時、いつも一緒にいた友人等が居る。
友人はS、T、W、Aで俺も含め5人でいつも一緒に遊んでいた。
その友人等と会うのも3年ぶりになる。それぞれ近況の事等をSとTとWと俺で話している。Aが居ない事に気付いた俺は辺りを見回した。
だがそれでもAの姿が見えない為、話している友人等に訊ねてみた。
「なぁ、Aの姿が見えないんだけど、あいつ来てないのか?」
「Aなら病院。入院している。」すぐに返事をしたのはTだった。
「入院?」俺の他にもWとSも同様に聞き返していた。
「閉鎖病棟。精神病院に入院しているよ。」精神病院。俺は少し驚いた。他の友人もその様子だった。どういう事だよ、とそろってTに問い掛けていた。
「あいつと最後に話をしたのは1年前だよ。何か異常に怖がっていた。だからその理由を最後に話した時に聞けた。」そう言い始め、TはAが最後に話をした、という内容を教えてくれた。
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Aはいつもクラスでも人気のある所謂お調子者だった。
その性格からか、よく某動画サイトに動画を投稿していたらしい。
もちろん何かAが面白い企画を立て、それを実行するというタイプの。
「この間コメントしてくれた奴で、面白そうなのを教えてくれた奴がいるんだ!」とAはTに話をしていたようだった。
その内容が『必ず幽霊に遭遇する事が出来る』というもの。それについては一時期テレビでも放送されていたので俺も知っていた。もちろん他の奴らも。
一度も幽霊にあった事無いし、面白そうだからという理由でAはそれを試したらしい。
ただ、Tが言うにはそのコメントには「結構ヤバいらしいからやめといたほうがいいっすよ(笑)」と書かれていたとの事。
そんな事はお構いなしで実践したようだった。
そのあとからだったらしい。Aがおかしくなり始めたのは。
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Aは呼びかけても振り向いたりせず、おまけに鏡を全く見なくなった。写真を撮られるのも嫌がった。
理由を聞いたところ「後ろを見たくない。」とのことだったそうだ。
Tはなぜ後ろを見たくないのか聞いた。
「俺、前に言っていた幽霊に遭遇するってやつ、やったんだ。俺、その時振り返ってないけど見ちゃったんだ。カメラで。」
Aが話した内容はこうだった。
まず幽霊と遭遇するというのは真っ白い紙に『お帰りなさい』『疲れたでしょ』と書く。
ペンを置いてからその書いた紙を瞬きせず、1分間見つめるという。
そうすると「ただいま」「疲れた」と声がするらしい。そこで振り返ると連れていかれるので振り返らない事。という遊びを実際にやったようだった。
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そこで声は聞こえなかったらしいのですぐ振り返ってみようと思ったが撮影していたカメラのモニタ画面を見てしまった際、後ろに居たそうだ。髪の長い女を。Aの後ろに立っている姿を。
Aはすぐに紙を破り、カメラの撮影を止めたそうだ。だがそれ以降ずっと何か後ろに居る気がしてならず、振り返れないとの事だった。
そこからおかしくなってしまうのも容易に想像できた。
常に付き纏われる感覚、恐ろしいだろうなと俺は想像しただけでも悪寒がした。
「それで精神を病んで、自殺未遂の繰り返し。だから閉鎖病棟。」そうTは言って、酒を一口飲んだ。
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俺たちはそのあと少しして解散した。みんな少し後味の悪そうな顔をして帰っていた。
俺も帰路についていた。Aがやった『幽霊と遭遇する事が出来る』というのを知っていた。
あれには終わり方がわからない。有名どころであればこっくりさん。あれにはちゃんと終わり方がある。
だが今回のにはない。だから去らなかったんだろうな、と。
そして俺はAの入院について考えながら歩いていると少し笑みがこぼれた。
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「だから言ったのに。やめたほうがいいって。」
作者アリー
私も今回その遊び、やってみましたが何も出ませんでした。
皆さんはくれぐれもマネしちゃいけません。
それはさておき、またまた駄文ながらも投稿してみました。
皆様、楽しめましたでしょうか。暇潰しになれたら幸いです。