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長編10
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神様からの贈り物

「ねぇ、426号室の保坂さん、病室にいないんだけど知ってる?」

「あぁ、娘さんがまた散歩に連れて行ってくれているのよ。

そろそろ戻る時間だと思うけど」

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「そっかそっか。今日は早かったね。

保坂さんは幸せ者よね。

娘さん、お仕事“時間給”とって、毎日来られているんでしょう?」

「そうそう。

完全看護なんだから、無理されなくていいですよって言ってるんだけどね、

“母も私を見ると安心するだろうから”

ってね」

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「あぁ、分かる。

私が検温してる時に娘さんが来られたら、保坂さんが凄い勢いで私の腕掴んだの。

そしたら、娘さんが優しく笑いながら、その手を握って

“お母さん、私はこっちだよ”

って。

その声聞いたら、保坂さん安心した様子でね」

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「うんうん。

術後の経過が悪くて、三週間ほど絶飲食だった時も。

家族旅行のDVD持ってきて見せてあげてたもんね。

少しでも楽しかった頃を思い出すようにって」

「でも、私達が入ると、すぐ止めてくれてたでしょう?

生身の人との会話が一番だからって。

気配りもちゃんとできて、本当にいい娘さんよね」

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「でも確か、もう一人娘さんいるんでしょう?」

「うん。

彼女のお姉さんがね。

妹さん曰く

“姉は優しすぎて

母の辛い姿を見てられないから”

って。

二人もいい娘さんで…

本当に幸せよ。保坂さんは…」

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「こじんまりとしてたけど、立派なお葬式だったわよね」

「立派すぎるほどよ。

勿体ないくらいだと私は思うけどね」

「ちょっと…声が大きいって」

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「私だって、こんな場所で故人の悪口なんて言いたくないわよ。

でもほら…保坂さんって…

人としても、母親としても、どうかなって人だったじゃない」

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「本当に…

でも、あの娘さん達が葬儀をするって言うんなら…

私達がとやかく言えやしないし、少しは協力してあげないとね…」

「私もよ。

あの人の為じゃなく、娘さん達の為に来たようなものよ」

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「え?

確かに保坂さんって挨拶も返さないような人だったけど…

子どもが親の葬式上げるのはそんなに珍しい事ではないでしょう?」

「あなたはに引っ越して来て10年くらいだから知らないのよ。

あの子供たちがどれだけ可哀想だったか」

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「そうそう。

自分だけいっつも良い服で着飾ってるけど、子供たちは靴下も履かせてもらえなくてね。

げっそり痩せてて」

「狭いアパートのどこに閉じ込めているんだか、

“こわいよ、あけてよ、だしてよ”

って泣き声がいつも聞こえててね」

「あの声聞くと、こっちが参ってしまったわよね、可哀想で可哀想で…」

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「今でこそ、近所の人も通報の義務があるなんて言って、連絡先も分かるけど…

あの頃は人様のうちの事は口出せない頃だったし。

そんな連絡先なんてなかったものね」

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「私、一度保坂さんに直接注意したことがあるのよ。

そしたら…その夜見せしめのようにあの子たちの泣き叫ぶ声が聞こえてね…

“あぁ、私が余計な事を言ったために、あの子たちが痛い目にあってるんだ”

ってこっちが反省しちゃったわよ。

それきり保坂さんには関わらないようにしたの」

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「私達でも許せないのに、あの子たちったら…

ちゃんと看取ってあげて、こんな立派なお葬式まで…

どうしてあんな親に限って、あんな良い子が育つのか…」

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「悪かったわね。

嫌なこともすべて押し付けて。

でも…最初にお見舞いにいった時の…

あの様子を見たら、とてもじゃないけど私には耐えられなくて」

「…全然気にしてないよ。

お姉ちゃんは昔っから優しかったもんね。

…最初のあれって…なんだっけ?」

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「術後何週間も絶飲食してたあの頃だよ…

…あんた、グルメリポートのDVDをずっと見せてたでしょう?

ご丁寧に焼肉のタレを小瓶に移して、匂いまで嗅がせて…」

「あぁ、あれか。

点滴でちゃんと栄養は摂れてたくせにね。

私達と違って」

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「車いすに乗れるようになってからは、散歩に連れて行ってたって?」

「うん。病院の裏の大きな神社にね。

あの人、昔から鳩を嫌ってたじゃない?

だから、試しに車いすの周りに鳩の餌まいてみたの。

変な呼吸するなぁ…って思ってたら、おとなしくなったから、慣れたのかな?

って近づいてみたら、気絶してた。

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調べてみるとね、“鳩恐怖症”ってあるのよ。

めちゃめちゃ笑えない?

あんな鬼をも恐れないような人が、鳩怖かったんだって。

小さい頃に知りたかったよね」

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「病院から連絡もあった。

“妹さんが付いていた時とはいえ、院内で怪我をさせてしまって…”

って」

「うん。それも私。

人の骨ってモロいのね。

体重かけたらポキッて。

でもそれが?

私達の、今も尚残る全身の傷跡に比べれば、小指の一本くらいいいでしょ」

「…ごめんね…」

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「……私ね、オリジナルな事って一つもできなかったの。

全部あの人が私たちにしたことを真似ただけ。

あれだけ憎んでいたのに、私ってホント才能ないんだなって。

その点、あの人は凄かったよね。

次から次と…

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怖かったよね…お姉ちゃんは暗いところ。

私は狭いところ…

あの人のせいで恐怖症になったのか、恐怖症だったからあの人が利用したのか…

ねぇ、どっちだと思う?」

「……」

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「お医者さんは手術は成功だったのに、なぜこんな結果になったのかって、申し訳なさそうにしてたけど…

人ってストレスで死ねちゃうんだね。

ずるいよね。

私達は死ねずに堪えるしかなかったのに、あの人呆気なく死んじゃって」

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「……」

「私、思うんだけどね…

昔…あの人が男を連れ込むたびに、寒かろうと夜中だろうと外に出されてたじゃない?

あの頃二人で

“神様なんていない”

ってよく言ってたじゃん。

あれ、違うね。

神様はいる。

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開けば、人を罵るか傷つける言葉しか出なかったあの口は、

助けを呼ぶための声すら出なくなり、

人をボールの様に蹴っ飛ばしていた足は、逃げることもできず…

ただただされるがままのお人形さんになっちゃって。

それでもね、頭だけはちゃんとしてたのよ。

自分が復讐をされているって、ちゃんと理解してた。

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私の姿を見ると、看護師さんの腕掴んでね、助けを求めようとするの。

あの人が、私を恐れる日が来るなんて…」

「……」

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「あの人の最期の数か月。

あれはきっと、神様からの贈り物…

ということは…

私も碌な死に方しないだろうな」

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煙草をもみ消しながらそう言った妹は、今海が見える丘の上の施設にいる。

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警察から意識不明の妹が発見されたと連絡があったのは、あの人が死んで半年ほど経ってからだった。

真面目な妹が無断欠勤をしたことで、職場の同僚が様子を見に行ってくれたそうだ。

同僚から事情を聞いた管理人から、保証人であり身内でもある私に、入室許可の連絡が入った。

仕事で抜けられなかった為、二人で妹の家に入ってもらうようお願いした。

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部屋に妹の姿はなかったが、二人は当然のように上がり込み、あちこちを見て回ったそうだ。

小綺麗に整頓された部屋の割に、テーブルの上は色々と散乱したままで、コップなどが散らばって割れていたらしいが、素人目から見ても、争ったような印象はなかった。

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同僚が風呂場を確認し、リビングへ戻ると、クローゼットを開けようと四苦八苦している管理人に気付く。

何気に同僚もそばへ行き、管理人を手伝ったが、折りたたむように開く引き戸のクローゼットはビクともしなかった。

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二人ともムキになり、力いっぱい引っ張ると、やっと開いたクローゼットの中に、白目を剥いた妹がいた。

その様子を見た二人は、既に死んでいると思い、救急車ではなく警察を呼んだそうだ。

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警察は侵入者がいた形跡もないことから、早々に

“事件性なし”

と結論付けたが、これに激しく異議を唱えたのは第一発見者の同僚だった。

”エレベーターにも乗れず、どんな高層でも階段でいく彼女が、狭いクローゼットに入れる訳がない。

誰かに押し込められたとしか考えられない”

ご近所に響き渡るほどの声で訴えてくれたらしい。

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「お待たせいたしました」

通された部屋に、二人の男性が入って片方の男性のみ自己紹介をしてきた。

「私、今回の妹さんの件を担当した下村と申します」

そう言いながら手渡された名刺には“課長”とあった。

もう一人の男性は、着用している服から、鑑識の人だろうと推察できた。

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「課長さんが自ら説明されるのですか?」

役職と役割に少し違和感を覚え、思わず聞いてみた。

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「いえ…

通常なら、妹さんのケースの様な場合、私や鑑識の彼が来ることはないと思います。

そこは…まぁ…おいおい」

歯切れの悪い言い方をすると、その下村課長は日誌のような黒表紙のノートを広げた。

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「妹さんの今回の件は、どのように調べても“事故”という結論しか出なかった。

これが警察の答えです。

一人部屋にいるときに、以前から発症していたのか分かりませんが、精神的な何かしらの病のせいでパニック状態となり、コップ等を投げつけ、クローゼットに閉じこもって出られなくなってしまった…

この見解しか見出せませんでした。」

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簡単な答えの割に、やけに勿体ぶって話すなぁ…

そういった印象を持った時、下村課長はノートをパタンと閉じた。

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「警察としての見解は以上です。

…が、私達の印象は…」

そこまで言うと、下村課長は黙り込んでしまった。

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「何か思うところがある…ということですね?」

「うーん…あくまでも印象です。

そして、私の立場上、ご家族に話すべきことでは…

いや、話してはいけない内容なのですが…」

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「心の準備はしてきました。

妹に何があったのか、出来るだけ真実を知りたいのです。

表沙汰にしたりはいたしませんので、お話しいただけませんか?」

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私のその言葉に、下村課長はお茶を一口すすり、話し出してくれた。

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「長年このような仕事をしていると、現場の第一印象で何かを察する事があるのです。

所謂“刑事の勘”というものですね。

妹さんの部屋に、入った途端に

“この案件は解決しない”

と感じました。

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いえ、怠慢や諦めではないのですよ。

深追いしてはならない…

闇がこちら側をみている…

そんな案件があるのです。

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事件ならば、私達は寝る間を惜しんで…

いや、寝る間もなく犯人を捕まえる努力をします。

しかし、その犯人とは…

足があり、手があり。

足跡を残し、痕跡を残す者のことです。

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妹さんの部屋には、妹さん以外の者がいた痕跡は一切ありませんでした。

…が、何かがいた…

その印象は十分にあったのです。

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その印象は、刑事の勘を持ち合わせた者だけではなかった。

だから、第一発見者の二人も、妹さんが部屋にいないと思いつつ、あちこちを当たり前に見て回ったのだと思いますよ。

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そして、これも仕事柄ですが、私は色々な“恐怖症”の人を見ています。

事件から恐怖症になった者。

恐怖症故に事件を起こした者。

エレベーターに乗れないほどの閉所恐怖症というのは、なかなかの重度だと思います。

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その証拠に、広くはないワンルームマンションの部屋には、わざわざタンスがあり、クローゼットは空でした。

恐らくドアを開け放していても、クローゼットに入ることが出来なかったほどの閉所恐怖症だったのではないですか?

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そんな人がいくらパニックになったといえ、クローゼットに入り込むとは思えないのですよ。

同僚の方が言うように

“何者かに押し込められた”

そう思えるのです」

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下村課長の話しが終えたことを確認するかのように、しばらくの沈黙の後、鑑識の男性が話し始めた。

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「私は立場上、また性格上、形あるものしか信じませんし、そうでなければなりません。

刑事たちが“勘が働く”と言うのならば、その根拠となる物証を見つけ出すことが私の役目です。

妹さんの部屋は…

“物証がない何か”が確実にあり、私達鑑識班を悩ますものでした。

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二人の発見者たちは、クローゼットの扉は全く開かなかったと言いました。

そこで、念入りにクローゼットの扉を調べました。

しかしそこには、開閉を邪魔する荷物も…歪みも建付けの悪いところも何もないのです。

現に今は、引っかかりもなくスムーズに扉は開きます。

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そして、私が一番気になったことを、何度も何度も試してみました。

人物を変え、姓別を変え、年代を変え、何度も何度も…

しかし、誰がやろうと誰一人として、中からクローゼットの扉を閉めきることはできませんでした。

あの通りの扉です。

風や何かの拍子で閉まってしまうことは、尚考えられないと思うのです」

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机の上に置いた自分の指を眺めていると、二人の視線が私にあることに気づいた。

それでも、特に私から話すことはなく、私はまた机の上を眺め出した。

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「こんな突拍子のない話しを聞かされた割に…

やけに冷静ですね?

なにか…心当たりでもあるのでは?」

その問いかけに、少しだけ微笑んで返した。

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「私たちが話せる内容としては、ここまでが限界ですが…

もっとお知りになりたいようなら、定年退職をした私の先輩をご紹介しましょうか。

少し変わった人で、この手の分野を得意としております。

私なんかよりずっとお役に立てるかと…」

どこまでも人がよさそうな課長が、そう申し出てくれた。

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「いえ…大丈夫です。

ただの…

ただの親子喧嘩です」

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「……そうですか…

やはり、あなたには…

なにか心当たりがおありのようですね」

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「静香。

ほら、今日は縫いぐるみを持って来たよ。

これ、ずっと欲しがってたもんね」

そう言って手渡した熊の縫いぐるみを、妹は幼女のように抱きしめた。

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妹は全てを忘れてしまった。

私の事も、あの人の事も…

あの人にされた事も。

あの人にした事も。

全てを忘れ、ただの小さな女の子になってしまった。

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きっとこれは、妹への

神様からの贈り物…

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mamiちゃん、おひさー!

僕もあんみつ姫と同じく、珍味さんの所から駆けつけました。
でも、どうやったらこんなにも上手くコラボ出来て 尚且つ、まとめる事ができるんですか?本当に素晴らしいですよ!

mamiちゃんはアワード賞を何度もとっていますよね!僕はまだ、とった事は有りませんが
いつかは取りたいと思い、舞い戻って来ました。笑

また、つまらない話で盛り上がれる様に 日々を精進していきましょうね!

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@(笑)仔 様、コメントありがとうございました。
実は、前半で終わらせるつもりだったんです。
でも…人怖と通じてもらえるか心配だったもので…
後半を付けたしました。
『怖話サイト』なので、その要素が大事かな…とも思いまして…

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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