どれだけの人間が、このスイッチを押したんだろう?
そのスイッチは手垢なのか、それとも薄汚れた血の後なのか? 私には不浄なものにしか見えない。
何故、私が選ばれたのか......
自分でも思い当たることは幾らでもある。
そのスイッチを押してしまえばいい、楽になるって分かってる。
くだらない人生だった。なに一つ面白くない。
誰かが言った。人生タノシマナキャいみないって!
ワカッテイル......ソンナコト
デモ......
そう、区切りのいいこの日、自分の蝋燭を自ら吹き消けそうと決めた夜、もう、明け方だったか、終わらすために起きた。
こっそり家をでるつもりだったが、キッチンに明かりが着いている。
息を殺し覗くと、ママがわたしのためにバースデーケーキを焼いている。
今日は、わたしの十六才の誕生日。
なんで......、わたしはそれを見て、涙が溢れた。
そして、手垢に汚れたスイッチは、少し、遠くなった。
作者深山
勝手に乱入、酔った勢いで。