【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編4
  • 表示切替
  • 使い方

中古品

皆様こんばんは。

最近冷えてきましたね。体の調子が崩れると心の調子も崩れるというか、まぁ、心身共に疲れる時期でしょう。ご自愛ください。

ご挨拶はこの辺にして本題に入りましょう。

ではでは、暇つぶしになれば幸いです。

separator

「いやぁ…それにしても人生で一番と言っていいほど嫌な買い物ってしたことあるか」そう言って私に突然話題を変えてきた友人。

こいつはいつも私の話を遮って自分の話をするのが好きな奴だ。

でも、正直私はこいつの話が好きだ。何せ面白いのだ。だからついつい聞いてしまう。

「嫌な買い物ねぇ…特にないかな。てか殆ど冒険したもの買わないし」

「まぁ、確かにお前は無難なものしか買わないな。服とか地味だもんな。もっと冒険してみろって、楽しいぞ。時々中古の古着でもいいやつはあるからな。

って、今回は服の話じゃあないんだよ。実はな、中古で買ったアクセサリーなんだよ」

アクセサリー?こいつが?何を言っているんだろうと、少し心の中で薄ら笑いをした。

「いやな、実はもう手元にはないんだけどよ、シンプルだけどかっこいいブレスレットがあってな。それがなんとも最悪なもんでよぉ…」

separator

ある日俺は行きつけの中古ショップに行った。何か掘り出し物がないかなと、月に2,3回は行く。そうして安い値段でアンティーク物の気に入ったものをコレクションしていた。

それが俺の趣味だ。その為、今日も今日とて、何かないかなぁと漁っていたところ見つけたものがあった。ブレスレットだった。

カットが細かく綺麗にされた石が3つほど付いていた。石はグラデーションを表している様に、薄い水色、アクアマリンのような感じだと思ってほしい。次の石は最初の色よりも少し濃い目。最後は紺色なので、タンザナイトのような感じだった。今ではタンザナイトはほとんど取れないのでとても希少な石だ。もしかしたら、店員は気付かずにいるんじゃないか、なんて思い、値段も600円なので即購入した。

ブレスレット自体の形、名前等は分からないが金属の薄い板に名前だとか、好きな言葉を掘って、チェーンを付けたブレスレット。

俺は良い買い物をしたと喜んで浮かれながら帰った。

気に入ったし、ちょっとつけてみるか、と思ってつけてみたところ、案の定俺に似合うというか、相性抜群。自分で言うのもなんだけど、似合っている。そう思っていた。

separator

異変はブレスレットを付け始めて3日目くらいからだった。

急に眩暈が頻繁に起こるようになった。あの時は風邪でも引いたかな、と思っていた。

特に熱が出るわけでもなかったので、気にせずに過ごしていた。

だが、とある日俺は大学に向かう駅で怖い体験をした。

気づいたら、俺は飛び降りようとしていた。隣に立っていた人が肩を掴んだから、大事に至らなかったものの、誰も止めてなかったらあのまま俺は死んでいた。

そのあとからどんどん不幸が重なった。工事現場から鉄柱が目の前に落ちてくる、スピード違反の車が歩道に乗り上げた時、俺が間一髪でよけた事、マンションの上から人が落ちてきたり、散々だった。

流石におかしいな、と思い今までの行動を振り返った。

すると、あのブレスレットを買った時からおかしな事が起きていると思った。なのでこっそり捨てようと思ったが、どうしても気に入っている為それは出来なかった。

ただ、やはり怖かったので知り合いの霊能者に見てもらおうと持って行ったところ、出迎えるなり、「こちらにそのブレスレットを寄渡して。でなきゃ貴方が死ぬ」って言われた。

なんでブレスレットのブの字も出してないし、ましてや見せてもいないのに何で分かったんだろうと思っていたが、言われるがまま渡した。

「あの、何かありました…?」と俺はその霊能者に聞いた。

separator

「…で?どうなったんだよ」と私は友人の焦らしがじれったく、続きを言う様急かした。

「ああ、なんか自殺した女の怨念が籠っていたってさ。なんでもその石は人の骨からできたものらしい。気持ち悪いよな」と友人は苦笑いで言い、珈琲を口に含んだ。

あまりにも気持ち悪いので友人はそのままそのブレスレットを手放し、今でもその霊能者の手元にあるそうだ。

「どうだ?いいネタになりそうか?俺が持ってる中で一番いいネタだと思うけど」

「ああ、有難う。とても面白い話が書けそうだよ」そう言って私は友人に奢るよと言ってその後も友人の面白い話を聞いていた。

separator

因みにその自殺した女、私の前妻だろうなと思う。何故なら、私の妻は自殺をして、その遺書には自分の骨を宝石にして、例の形のブレスレットを作って、私に肌身離さず持っていてほしいと書いてあった。私も一時期はつけていたが、気持ち悪いなぁ…と思ったのと、売ってみたらどうなるか気になったので売ってみたのだ。

まさか友人がこんな目に合うとは思わなかったけど。

Normal
コメント怖い
19
28
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信
表示
ネタバレ注意
返信