少年は夢をみていた。
夕方の教室、夕日が差し込み、赤く染まった世界はやけに幻想的だった。
教室には少年と、彼が想いを寄せる少女の二人きり。
見つめ合うふたり。
少年は少女の肩にそっと両手をやると、少女は目を閉じ少し顎を上げた。
少年はゆっくりと、細く美しい少女の首に手を動かし、強く絞めた。
少女は、突然のことに驚いたのか、苦しみからか、目をいっぱいに開いた。
みるみると少女の顔には血管が浮き、真っ白だった素肌が赤く変わる。
苦しいのだろう、少女の爪が自身の首と少年の手に食い込み薄く血がにじんだ。
目が細かく痙攣し、白眼が赤色に染まり、口がパクパクと弱々しく動いている。
立つことができなくなったのか、膝が落ち、座り込みそうになるが、少年は手を離さず、首を絞めたまま少女を寝かし、床に膝をつけ、少女の腹に座った。
ばたばたと脚を痙攣させているのが背中ごしに伝わる。
少女が失禁したのだろう、床につけた膝が生暖かな温度を感じた。
しばらくすると、少女は完全に動かなくなった。
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なんで、こんな夢をみてしまったのかと、少年は自問自答するが答えはでない。ただ、
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少年は、夢が叶ったことに自然と笑みがこぼれていた。
作者深山