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短編2
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花瓶

仕事から帰ってみると、窓際に数本の花を活けた白い花瓶が置いてあった。

その物凄い存在感に目を奪われていると、台所から彼女が「ロビたんおかえりー、この部屋殺風景だったから少しは華やかになったでしょう?ふふふ」と、言った。

まじまじと花瓶を見つめる俺に、彼女は「あら、ロビたんたらそんなに花に興味があったんた?なんかちょっと意外なんだけど…、あ、ハンバーグ焦げちゃった!てへぺろ」と、言う。

いやいや俺が見ているのは花ではなくて花瓶な。何の装飾もついてない太い円柱形の花瓶、つか、これマジで花瓶か?こんなシンプルすぎる花瓶はあまり目にした事がないな。いや、どこかで見たような気もする。なんかちょっと嫌な予感がしてきた。俺の予感は結構当たるのだ。

その夜、寝ているとガタガタという物音で目を覚ました。案の定、窓際に置いてある花瓶が誰も触っていないのにひとりでに動いている。

電気をつけると動きを止めたので、俺は横で眠る彼女を優しく起こしてこの花瓶をどこで手に入れたのか?と尋ねた。

すると彼女は「えーっと、実はこれゴミ捨て場に捨ててあったのを拾ってきたの。傷一つ付いてないし、まだ新品みたいに綺麗だったから。持って帰って来ちゃった。てへぺろ」と、ほざいた。

俺は心の中でため息をつきつつ「これは骨壺だよ?こんな物騒なもの勝手に拾ってきたらダメでしょ?」と、優しく彼女に言った。

彼女は欠伸をしながら「骨壺?何それ?持ってたらヤバいやつ?じゃあ明日の朝に元の場所に戻しとくねー、ふあああ眠い、おやすみー」と、言って眠ってしまった。

出会った頃は、俺より一回りも年下で、天然キャラで可愛い女の子だと思って好きになったのに、もう二十歳も過ぎて骨壺も知らないだなんて。

これからは将来の事も視野に入れて、付き合い方を考えていこう。

Concrete
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