お盆に帰省した流れで、ついつい親戚の家に泊まり込みで仕事を手伝っているんだが、先週、いつもは寝つきのいいはずの俺がどうにも眠れない夜があった。
暑さで寝苦しいわけじゃない。体はクタクタに疲れているし充分に眠たいんだけど、瞼が全然降りてくれないんだ。
酒が足りてないのかななんて思いながらぼーっと、開いた襖の向こうの廊下を見つめていたら、突然。本当に突然、何十年も前にこの家で亡くなった祖父が通り過ぎていった。
まあ、身内だし。さすがに怖いとは思わなかったけれど、一応、部屋は明るくしてから眠りました。不思議とその後はすぐに寝れたから、恐らくお爺ちゃんの仕業だったんだろうと今にしてみれば思う。
次の日に叔父さんにその話をしたら、今日が祖父の命日だって聞かされたけど、実は叔父さんも仕事が忙しくてすっかり忘れてたみたいで、その日は昼までご先祖様の墓参りに専念してから、仕事に向かいましたとさ。
おしまい
作者ロビンⓂ︎