短編2
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これは、当時中学生だった私が友人の家へ泊まりに行ったときに体験した話です。

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私の家は、とても厳しかったので友人の家へ泊まりに行くなんて滅多には出来ず、体育祭前々日の準備があるからという理由で、半ば無理矢理に両親を納得させ、承諾を得たのでした。

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友人とお泊りというのは、修学旅行並みにワクワクするもので、何処へ旅行に行くんだ。と問いたくなるような大荷物を纏め、自転車に跨り友人宅へ向かいました。

学校終わりに向かったので、友人宅へ着くころには既にとっぷり日が暮れており、夜に外に出ているという謎の背徳感も相まって、私のテンションは最高潮でした。

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友人のお母さんが作ってくれた晩御飯を食べ、一緒にお風呂へ入り、友人の部屋でお菓子やジュースを広げ、女子会に華を咲かせていた時、それは聞こえました。

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__コツン、コツン。

窓に小さな石が当たるような音でした。

本来であれば聞こえない程度の音が、何故かその時は鮮明に聞こえたのです。

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「今の音何?」

私の問いに友人は首を傾げます。

「何やろ?分からん。」

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特に気に止めることもなく、開封したポッキーに手を伸ばした時、再び音が聞こえました。

今度は、先程よりも大きくなっているように感じたのです。

音の先に視線を向けても、黄色いカーテンが引かれた窓があるだけです。

友人の部屋は2階だったので、外から誰かが窓を叩けるはずもありません。

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怖いもの知らずの友人はパッと立ち上がると勢いよくそのカーテンを開けました。

外は漆黒の闇が広がっているだけで、何も見えません。

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「何?気持ち悪。」

そう言った友人がカーテンを閉めようとした時、再び音が聞こえます。

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__コツン、コツン、コツン…ドン!!!

小さな石が当たっている程度の音が、急に岩がぶつかるような音に変わったのです。

友人は驚きにその場で腰を抜かし、私は持っていたコップを落として床に飲み物をぶちまけました。

こぼれた飲み物がパジャマ越しに染みて来て、冷たかったはずなのですが、そんな感情はよそに、私はカーテンの開いた窓を凝視しました。

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窓の格子の上部。

その右端。

その部分にはっきりと見えたのです。

頭部の上半分が無く、口元のみ視認できる、恐らく女性であろうソレ。

ドン!!ドン!!と窓に何度もぶつかっている様子が。

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ソレが何だったのか、説明は出来ません。

ですが、夢ではなかった。見間違いではなかったと確信しています。

朝になり、日が差し込んだ窓の右上の端に赤い赤い口紅が幾つも、幾つも付着していたのですから。

Concrete
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@ふたば 様
ふ、ふうちゃん…??
それかなり怖いんやけど、一体何があったの…?

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@ゆかちん 様
久しぶりな気がする…!!
この後、友人は引っ越すこともなく暮らし続けたんやけど、特に何もなかったんやって。
もしかして、うちに付いて来た何かやったんやろか…

次回予告、になりますように…なんて…

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@F 様
怖い事を言わないで下さい…!!

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@むぅ 様
口ドン…(笑)
斬新ですね!!

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@まー-3 様
私の中では、幽霊の方がまだマシに感じます。

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@ろっこめ 様
人間やったオチは、正直幽霊よりも怖いわ…
トリハダシリーズうちも好き!!
あれ凄い不気味で面白いよね!!

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@はと 様
うち思うんよ…
なんでこういう時の口紅って赤なんやろう…
めっちゃパンキッシュに黒とか青とかやったら怖さ半減するのに…

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