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死神と俺の日常 #37

music:1

チンエルVSアキラ

まったく…なぜ、私だけ一人残して旅行に行くのだ?

嗚呼ああああああああああああああ…

面田殿は実家に帰っちゃうし…いるのは喋る金魚と私だけ…

「わしは五右衛門じゃ!よろしく!!」

チンエルは縁側で座布団の上にチョコンと座りため息を零す

「あーー。神様ぁぁぁぁぁぁ」

そこへ二人組の男が庭に入ってきた

「アキラ~勝手に入っちゃマズいって~」

この声はまさしくトンジルの声である

「うるさい!俺は死神を倒すんだ!!」

この声はアキラだ

チンエルに気づいていないのか、二人は庭の真ん中でゴソゴソとカバンを漁る

「死神様はここにはおらんぞ」

アキラは声に驚き辺りを見渡す

「だ、誰だ!姿を見せろ!!」

トンジルはビクビクしながらハリセンを構える

チンエルはフワフワと飛びながら二人に近づく

「死神様はココに…」

チンエルを見たアキラはチンエルを指差して叫ぶ

「チンチクリンの妖精だ!!」

チンエルは腕を組みながら喚く

「チンチクリンだと?私は死神代行執行…!」

アキラとトンジルはチンエルを無視して庭にいる鯉を眺めていた

「すげ--!!こんなデカい鯉いるんだ!!」

「おいーーーー!!話を聞け!」

二人は満面の笑みで池にいる鯉を見つめていると

チンエルは後ろからハリセンで二人の頭を叩くと、アキラは叩かれた箇所をさすりながらチンエルを指差す。

「痛!てめぇ!何しやがる!」

チンエルはハリセンをパシパシしながら

「死神様を倒しにきたのだろう!残念だな、死神様は…!?」

「わーー!ちょうちょだー!」

トンジルは大きい蝶を追いかけチンエルの周りを走る

……………………。

チンエルはハリセンをトンジルの顔面に向けてフルスイングする

「トンジル!危ない!」

「え?」

すると、トンジルは小石に躓きチンエルの攻撃を運良く避けた。

「なん…だと!」

トンジルは体勢を立て直し、アキラの背後に隠れる

「貴様ら…あまり天使をバカにしないほうがいいぞ」

アキラは鼻をほじりながら

「そんなチンチクリン天使に何ができんだよ」

チンエルは人差し指を天高く掲げると指先に光が集まりだした

「括目せよ!!これが死神代行執行者の力だぁぁぁぁぁ」

眩い光が辺りを包み込み、光が収まると巨大なハリセンが上空に出現した

「ふははははははははhhhhhh!ゲホッゲホッ…巨大ハリセンよ!敵を叩け!」

チンエルが叫ぶと巨大ハリセンはアキラとトンジルに狙いを定めた

「やべぇぇ!!逃げるぞ!トンジル!ついてこい!」

「うんッ!!」

アキラとトンジルは慌てて逃げ出す

チンエルは逃げ出した二人を見て「ふん、雑魚が」

召喚された巨大ハリセンは二人がいない庭に着地すると瞬時に消えた

「ふーーー。あ、ポロンズが始まる時間だな!」

その頃…面田は買い物を終えて裏庭の扉に手を掛けた

その瞬間…ドアノブだけが手元に残り扉が外れ、荒れに荒れた庭が目の前に広がっていた。

買い物袋を地面にドサッと落とし、

「なんじゃぁぁこりゃぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!」

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