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短編2
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忠告

思えば私がこの古い一戸建てに住みだしてからもうかなりの年月が経つ。

基本、外には出ないから季節なんてものはわからないんだけど、たまに訪問してくる不動産屋のお兄さんやそのお客さんが厚手のコートを羽織っているところを見ると、おそらく今は冬なのだろう。

しかし、いつもは私の存在に気づいて気分が悪くなったり寒気がしたりと、身体の不調を感じて早々に帰ってしまう客が多いのだけど、今回のお客さんは私の存在に気づいていないのか、なかなか帰ろうとしないの。

それどころか、この男はどうにもここが気に入ってしまった様子で、物件書類を何度も見返しながら「もうここに決めようかな」なんて話している。

別にあんたがこの家を気に入って住むのは勝手だけれど、一応まだ私の家なんだから、私が首を吊った部屋であぐらをかいて座り込むのだけはやめて欲しいわ。

もし話せるなら、あんたの背中に引っ付いている女。頭が陥没して左目が飛び出しちゃってるその女。

そいつはこの家があまり気に入っていない様子だから、やめておいた方がいいんじゃない?と忠告してやりたい。

だってこの女はここへ来た時からずーっと敵意むき出しで私をにらんでるんだもん。今後どう転んでも良い影響は出ないだろうし、仲良くなれそうもない。

もちろん私がさっさとここを出ていけば良い話なんだろうけど、他に行くあてもないし長年住んでる家だから愛着もあるし。こんな事なら誰か私を早く成仏させてくれないかしら。

ああ、今後あの男がここへ越して来るまでに解決しなきゃならない問題だと思うとすごーく気が重くなるわ。

Concrete
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月舟お兄さま、ふふふいつもありがとうございます!…ひ…

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