家の近くの河川敷で、友人とふたりで遊んでいたときの話です。
ふと川を見ると、上流からダンボールが流れてきたのに気付きました。
すると、ちょうど目の前でダンボールが川岸に引っ掛かったのでした。
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中学生だった僕たちは「エロ本でも入ってるのかな?」と、興味本意でワクワクしながら引き上げてみることに…。
落ちていた木の枝なんかを駆使して、ようやく陸へ引き上げることが出来ました。
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ダンボールは少し小さめのもので、フタはガムテープでキレイにキッチリと閉じられていてました。
川の水で濡れてはいたものの、ふやけて型崩れしているようなこともなく、特に何のへんてつもありませんでした。
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すでにエロ本が入っていると思い込んでいた僕らは、下心丸出しでビリビリとガムテープを引き剥がしました。
開けてみると、お菓子の様なものが、ぎっしりと詰め込まれていました。
期待していたようなものは見当たりませんでしたが、そのお菓子の様なものをいくつか取り出して、よく見てみようとした、その時です。
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「うわあああぁぁぁぁぁ!!」
友人が変な悲鳴を上げました
そのまま腰を抜かして、
後ろにひっくり返ってしまいました。
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その次の瞬間、友人が腰を抜かしてしまった理由を理解し、ワンテンポ遅れて僕も全く同じリアクションをしてしまいました。
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お菓子の様なものをいくつか取り上げたとき、恐怖に耐え難いものを目にしてしまったのです。
それは…。
・・・
・・
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それは、猫の死体でした。
そして、僕たちは理解しました。
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おそらく猫は飼い猫だったのでしょう。
そして、何らかの理由で死んでしまい、飼い主の手によって、「川葬」(?)というかたちで、手厚く葬られたのだと…。
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ダンボールは棺であり、お菓子に見えたものは、猫用のおやつだったのです。
エロ本だと思い込んで、下心全開だった僕たちにとって、中身を知った瞬間は、さすが焦らずにはいられませんでした。
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僕たちは取り出したおやつを、丁寧に詰め直すと、しっかりとフタを閉め直し、再び川に流しました。
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川の流れにのって、ゆっくりと下流へ流れていくダンボールに向かって、心の中で何度も何度も・・・
そう、本当に何度も何度も「ごめんなさい。ごめんなさい」と謝りながら、一生懸命に手を合わせ続けたのでした。
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作者とっつ
実話を連投してみました。