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都市伝説の真相【ベッドの下の男】

短編2
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都市伝説の真相【ベッドの下の男】

大学からの友達、A子に泊まりに来ないかと誘われた。

その日、女二人で飲みに行き、程よく酔い、A子のアパートに着いた。

「ベッドで寝てよ」と言う彼女に遠慮し、硬いほうがよく眠れるからと、ベッドの横に布団を敷いてもらった。

いつでも寝られるように、明かりを間接照明だけにした薄暗い部屋。

A子はベッドであぐらをかき、壁に寄りかかりながら、ほろ酔い加減で自分の恋愛論を語っている。

私は相づちをうちながら、横になろうと枕に顔を傾けた。

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「A子──」 声が震えないよう慎重に私は言う。

「飲み足りない、お酒買いに行こっ」

缶チューハイが冷蔵庫にあると、明らかに面倒くさがり、嫌がるA子を半ば強引に外に連れ出す。

自然を装い外に出る。玄関のドアを閉め、A子に鍵をかけさせた。

そのまま、不思議がるA子の手をとり最寄りの派出所まで走った。

警官に、部屋のベッドの下に包丁を握りしめた男がいたと説明し、警官が部屋を調べてくれることになった。

私と警官のやりとりを黙って聞いていたA子の顔は真っ青で、微かに震えていた。

鍵を開け、警官が先に入り照明のスイッチを入れる。中に人の気配はない、例のベッドの下を覗くが誰も居らず、包丁だけが置かれていた。

一通り部屋を調べ、最後にA子がベランダのカーテンを少しだけ開き、顔を覗かせ、異常無しですと言う。

部屋の鍵もかかっていたし、アルコールも入っていたこともあり、見間違いではないかということでその場はおさまったのだが、ベッドの下に置かれた、説明不明の包丁だけが私の頭にはいつまでも残った。

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──後日、A子は逮捕された。

彼女の部屋のベランダから男性の遺体がみつかったのだ。

彼女が逮捕された前日、長めのメールがA子から私に届いた。内容はこんは感じだ。

『大学で出会った大好きな男に告白したが、彼には好きな女性がいた。諦める代わりにその人は誰かと聞けば、あんただった。

この際だから仲を取り持ってあげると、相談を理由に男を部屋へ誘い、隙をみて殺した。

あんたを泊めた夜、あんな騒ぎがなければ、ベッドの下に忍ばせた包丁であんたも殺してやるはずだった。

あれから、四六時中あの男が現れては、ただ立ち尽くし恨めしそうに私をみる、もう限界だ、自首します。』

読み終える途中から、涙で文字が滲んで見えた。

そっか、包丁を握ったベッドの下の男は、私を守るために、A子に包丁を渡すまいと、強く、固く握りしめてくれていたんだ。

「ありがとう」私はその人に感謝と、心からの冥福を祈った。

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