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短編2
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Love is blind

我慢強い私にもやはり──限界はある。

一度沸き上がった感情は男の死で決着が着いた。

ユウ君の借りるアパートの部屋。滅多刺しにされた男の死体と、血濡れの包丁を握り、返り血をたっぷりと浴びた女。

私は、精一杯尽くしてきた。

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ユウ君がお金に困れば出来るだけ工面したし、他所に女がいるとわかっても、最後には私の処に帰ってくると信じて待った。

酔っぱらい、私をただの道具のように乱暴に抱くこともあった。

ユウ君の先輩、その筋の男にお金を借りては、競馬で溶かし、闇金なみの利息で首が回らず、何度か顔を腫らした彼を見たこともある。

その度に怒りを私にぶつけて、私を殴る。

終いには、風俗で働いて金を作れだなんて、本当に駄目な男。

その結末がこれだ。怒りが少しぶり返し、とっくに死体となった身体に包丁を突き刺す。

なんでそんな男に惚れてしまったのだろう。考えて答えがでるものではないと分かっていても、考えずにはいられなかった。

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その時、玄関のドアノブがまわされた。

ゆっくりとドアが開く、中のようすを伺うような開きかたに少しイラついて、私の方から向かい入れる。

「お帰り、ユウ君」

「千尋......マジで......殺ったのか?」

「うん! これでユウ君、恐い思いをしなくてすむね──」

床に転がる死体となった借金取りの鼻先を蹴飛ばしながら答える。

「さてと、浴室でバラバラにしちゃお」

借金取りの襟首を掴み引きずる。

「わたしー、ユウ君の為ならなんだってできるよ」

そう、私は彼の為なら何でもできる。

風俗はユウ君以外の男に触られたくないから嫌だけど、ユウ君のこと困らす奴を殺すことくらい、なーんてことない。

だって私──

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ユウ君のこと愛してるんだもん❤️

脅えて青い顔のユウ君に私は血まみれの笑顔で返した。

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これがこの人の愛のカタチなのかな.......

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