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短編2
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人形の秘密。

アパートで一人暮らしをしていた頃、友達の絵里と居酒屋で飲んでいた時のこと。

「あのさあ、麻美」

「なに?絵里」

「髪の毛の伸びる人形ってあるでしょ?」

「ああ、心霊番組とかで良くあるよね、魂が乗り移るとか、あんなのあり得ないよね」

「ううん、有るんだよ実際。わたし持ってるの」

そこからは、伸びる・伸びない、少しは伸びるかもだけど数ミリだ・いや数センチ伸びるだのと論争が続いた。

じゃあ証拠を見せて、と言うと、

ニヤリと彼女の口元が弛み、

「良いよ、持ってくる。」と言った。

後日、人形を持ってきた。

市松人形みたいなものかと思ったが、大量生産の市販の人形みたいなもので、まるで怖くは無く、ちょっと拍子抜けした。

「伸びてるかどうか分からないんだけど…」

「貸してあげる、すぐ伸びるから」

えっ?と思ったが、先日の論争に終止符を打ちたかったし預かる事に。

伸びているか分かるように、毎日写真を撮ることにした。

翌日、朝起きてからチェックしたが変化は無い。

2日目、…あれ?伸びている。写真を見比べるまでもなく、明らかに長い。

3日目、また…伸びている。

4日目、人形の姿勢が変わっている。

5日目、人形が居ない!動かした覚えは無い。探してみると全然別の場所に居た…。

さすがに気味が悪くなり絵里に電話した。

「私の負け、返すから取りに来て…」と。

「今日は出掛けているから、明日取りに行くね」と言われた。

もう怖くて怖くて…。

人形を箱に入れ、見えない所に隠した。

6日目…目を覚ますと枕元にあの人形が!

wallpaper:3984

全身真っ赤に染まっている!

ひっっ!声にならない叫び声を上げた。

心臓が壊れるほど早く鼓動している。

『ピンポーン』玄関のチャイムがなった。

ますます心臓の鼓動が早くなる。

「麻実~?」

絵里の声だ。

wallpaper:1

パジャマ姿のまま玄関に飛び出す。

「どうしたの麻美!顔色が悪いよ」

人形の話をすると、子供のような笑顔で言った。

「あはは、ごめんね~、全部わたしの悪戯なの。髪の毛の長さが違う人形と入れかえてたの。あの赤いのは絵の具だよ」

はあ…もう勘弁してよ…。

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あれ?

でも彼女はどうやってこの悪戯を仕込んだんだろう…

合鍵など渡していないし、

ちゃんと戸締まりもしていたのに…。

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