人によっては単純に不愉快に感じてしまうので、閲覧注意してください。
夏の日だった。
その日はとても暑かった。
僕はコンビニに行くためにサイフだけをポケットに入れ、家を出た。
家のすぐ近くに、車がギリギリ1台通れる程度の細い道がある。そこを通ってコンビニへ行く。
細い道に入るとすぐに人が3人とトラックが1台いた。
普段は人など気にもとめない。
しかし今日は違った。
1人は子持ちの女性。
1人は男性。
1人は女性の子供であろう。
そこでは男性が女性に結婚を申し込んでいた。
女性は自分などと言う様な素振りでいた。
しかし長い間男性は必死に口説いていた。
夕日が綺麗だった。
ついに決着がついた。
どうやら女性はOKと承諾したらしい。
少し遠くにいた子供はそれを知ってか知らずか、喜んでいた。
そんな幸せな空間だが、それは一瞬で壊れた。
トラックが彼女ら2人に突っ込んできた。
運転手はニヤけていた。
しかし、2人はトラックが来ている事に、気づいているのにも関わらず、避けずに抱きしめ合いながら轢かれていった。
僕は女の子を守るため、手を引き途中で小さい隙間に彼女を隠した。
僕は僕でその少し先の駐車場で隠れた。
駐車場で僕は上を見ながら祈っていた。
夕日が綺麗だった。
人が轢かれた音がした。
怖かったが、轢かれたであろう場所へと僕は向かった。
女の子は無残な姿だった。
僕は上を見上げる。
オレンジ色の夕日の輪郭が完成しようとしていた。
その夕日の輪郭が完成すると、夕陽の色が一瞬のうちに真紅となった。
とても綺麗だった。
夏の夕日のその一瞬しか見れない風景だ。
僕はその夕日を見て、携帯を持ってきて写真を撮りたかったなぁと、思いながら家に帰った。
作者滝沢 椿