私は深夜に配送の仕事をしています。
おそらく今まで仕事をしてきた中で
一番怪異的なことが多かった場所の話
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それは約半年間だけウチの管轄になり
その後は別の会社へ引き継ぎされ
今どうなってるかは定かではありません。
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半年間だけとは言え
他のコースではあり得ないくらい
奇妙なことが起こりました。
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長くなると思います。
よろしければお付き合いください。
そして、今のところの話のストックは
これで最後です。
半年間を時間の経過と共に追って行くため
だらつくかもしれません。
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ことの始まりは去年の10月
別の会社からウチへ魔境もしくは秘境と呼ばれる県の東の県境付近のコースを引き受けることとなりました。
この段階で少し嫌な予感がしました。
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別の会社のトラックの後ろを付いて回り
コースの引き継ぎをするため随伴していたのですが、出来れば通りたくない道を必ず通らなくてはならない道順になっていました。
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実は私はその県の出身で嫌な予感が当たった形になります。
吊り橋です。
実際には件の吊り橋の少し先に位置する
赤い橋を通ります。
手前には神社もあり、深夜にはかなり雰囲気がでます。
実際、雰囲気どころか寒気さえする吊り橋
地元では自殺の名所
心霊スポットとしても有名な場所を
これから毎日拝むことになるとは
最初からかなり凹みました。
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次に見えて来たのが病院でした、
病院の8Fに売店代わりに小さいコンビニが入っています。
夜間患者口から入るのですが
もちろん普通に急患の人や救急車で運ばれてくる人が入ってくる場所でもあります。
その時は随伴で二人で来ていましたが
後々一人でくることを考えるとまた凹みました。
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そうこうして、コースを引き継ぎ一人立ちし三ヶ月くらいたった頃
地元で有名な心霊トンネルの先に店がオープンしました。
更にそこから先に進むとオウム事件で使われた
拳銃や武器が見つかったダム湖へとつながります。
出来ればトンネル含めてこの辺りに深夜近づきたくは無かったのですが、仕事なので仕方がありません。
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これによりコース中盤から
深夜に弩級の心霊スポットを巡るとても楽しいコースとなりました。(泣
しかし怪異的な出来事は主に病院で多く起こり
時期的に年末から次に引き継ぐまで断続的に起こりました。
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それは年末の忙しい時期
私は件の病院へ納品に行った時のことです。
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フロアはすでに消灯されており真っ暗です。
非常灯の明かりが唯一灯ってます。
店の入口はアコーディオン式の横閉めシャッターが閉まっており、専用の鍵で解錠して入店します。
更に品物を仕舞う場所が限られているのに、それを考えず仕入れるため冷蔵庫に入りきらない品物は箱をバラし売り場に並べる手間が発生します。
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特にヤバイと言われていたのがバックヤードで、マジックミラーの窓がついた扉で仕切られているのですが、
いつも窓から見られている様な視線を感じました・・・
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その時は、かなり仕事も多くイラついていたため、この店の文句を洩らしながら品物を並べていました。
shake
バン!バン!
と壁を激しく叩く音が店に響きました。
その瞬間
shake
ビクッとなりしばし私は硬直しました。
音がしたのは売り場のショウケースの裏の壁。
3cm程の隙間しかありません。
手を止めて回りを見渡しましたが、案の定誰も居ないし音を立てる様なものもない
よく考えることもなく、ことは理解出来ました。
その後は手早く品物を並べ足早に店を立ち去りました。
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納品を終えて外から病院の建物を見たとき
更に驚きました。
8Fの売り場の後ろは壁ではなく
窓でした・・・
目張りされたベランダのない窓
そこを誰かが外から叩いたことになります。
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この事をその地域でも古株店の店長に話したところ
「やっぱりねぇ・・・あそこ飛び降り自殺も前にあったし」
とのことでやはり曰く付きの場所であることは間違いないようです。
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この事があってから
病院の店に入る時は必ず
「お世話になりまーす。」
と一声掛けて様子を伺いつつ
入店するようになりました。
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年末の出来事もあり店の雰囲気に慣れ始めた頃でした。
その日もいつも通りに納品し、エレベーターで下に下りる為1Fのボタンを押して待っていました。
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エレベーターは5F脳外科の階で止まっていました。
「ラッキー。すぐ来る」とその時は思って消灯された暗い8Fで待っていました。
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ですがエレベーターは動きません。
少し待ってやっと動き出しました。が
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何か嫌な感じがしました。
それは的中します。
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6F⬆️
7F⬆️
8F⬆️
?!・・・・・
スルーして屋上へ行ったようでした。
屋上でまた少し止まって、8Fへ降りてきました。
・ ・ ・
深夜に屋上へ誰か行ったのでしょうか・・・そんなことは出来ないはずです。
確か屋上はこの時間立ち入り禁止で大きめの扉が閉まっているはず、
何故知っているかと言えば、思い出したのです。10代の頃に友人がこの病院に入院していたことを、そして見舞いに行って屋上で話したことを
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正直恐かったですが、
大きめの台車を転がしている為
私は階段で下りることはできません。
気持ちが悪いですが、乗るしかないのです。
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乗っている間がとても長く感じました。
「1Fでちゃんとドアが開くんだろうか?
B1とか行かれたら洒落にならんぞ・・・」
とう考えていると1Fで扉が開き無事に下りることが出来ました。
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ほんとこの病院には苦労させられましたが、
なんとか仕事も期限までやり遂げ今は別の会社の人が回っているかと思います。
ですが、その病院がなくなった訳ではありません。
またいつかウチの会社へ戻ってくるとも限りません。その時は丁重にお断りしたいですが、行かされんだろうな。
トホホ・・・
作者ニクガスキー