短編1
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黒猫

この公園にはいつしか誰も寄り付かなくなった。

なぜだか理由はわからない。

カラカラと音を立てて転がっていく落ち葉の向こうから、老人が一人歩いてきた。

ベンチの前で足を止めた老人はボソリと呟いた。

「おまえさんはもうとうの昔に亡くなっとるんじゃ。はよう成仏してくれんと、だーれもそのベンチを使えんで困っとる」

老人はまたトボトボと歩み始めた。その背中は透けていて、みるみるうちに景色の中へ溶けていった。

「ふん、老いぼれが。おまえもとっくの昔に死んでるっつーの」

黒猫が空を見上げると、カラスの群れがガーガーと悪態をつきながら集まってきた。

ベンチそばにある街頭が点滅を繰り返しながらぼんやりと灯る。もう暗くなるのか、冬の夜は早いな。

暗がりから目の飛び出した赤ん坊を背負った酷い身なりの女が、ジッとこちらを見ている。これは昨日と全く同じ光景だ。たぶんこのにらめっこは朝まで続く。

「あーあ、また誰か首吊ったな」

黒猫があからさまなため息をつくと、周りの木々が返事を返すかのようにザワザワと唸った。

その公園には誰も寄り付かない。

なぜだか理由はわからない。

Concrete
コメント怖い
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マミお姉様、とってもお返事が遅れてしまいべりべりアイムソーリーです!!
まさか、ロビンにセンチメンタルな一面がある事に気付いていらしただなんて…ふひひ…

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