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これは、私が見た本当の夢の話です。
嘘じゃないですよ?
今日は昨日見た夢の話です。
それではどうぞ、良い「夢幻」を。
…………良い「∞」を。
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ここは……砂漠?いや、だって砂漠なんてアフリカにしか無いはずでしょ?砂漠なんて……夢でしか無いでしょ!
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……あれ、何でそんなこと考えたんだっけ?私は「ここ」にいるのが普通なのに。
まあ、闇雲に歩くしか無いや。それが私の歩くレールなのだから。
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ただ、歩き続けた。
喉が渇く。足に象一頭分くらいのおもりを付けられているんじゃないだろうか。
椰子の木のようなものがあるだけで、それ以外は砂、砂、砂。
太陽はだんだん沈み始めようとしている。夜の砂漠はとんでもなく寒いときく。私は大丈夫なのだろうか。
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日は、まだ沈んでない。
けれど、間に合わないだろう。
死ぬかもしれない。
その感情だけが、私の足を進ませる。
感覚なんてもう無い。嫌だ、嫌だよ……死にたくない。
「そう」あるべきだとしても。
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やがて、湖を見つけた。奇跡としか言いようがない。
あと、形容しがたいくらい、凄いものが、あった。
金色の、縁取りがされていて。中央に、水色の「何か」がある。美しいのに、不気味で仕方がない、「何か」。
人ではあると、思うけれど。違う。よくわからないけれど、違う。
喉に魚の小骨が詰まったかのような感覚だ。詰まったこと無いけど。
思わず、水に手を伸ばす。
ひんやりとした水に触れて、飲むんだ。そしたらきっと、大丈夫。
意味もなく、そう思ってしまった。
期待していた私を迎えたのは、奇妙な感触だった。
……ゼリー、みたいな感覚?所謂「食べる水」みたいな感じ。
気味が悪くて、手を抜こうと思った。なのに、抜けない。
嫌!どうして!
ああ、死ぬ。そう本能が叫んでいた。何も、出来ない。
『だってそうでしょう?「そう」いう運命なんだから。』
うん、そうだね。そうしよう。
私は水の中に、いや、水のような「ナニカ」に吸い込まれていった。
その時、あの「何か」の口らしき部分が、弧を描いていた気がした。
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私は、私自身の死体を空から見つめていた。
まあ、そうだろうね。「そう」決まっていたんだから。
そう、どこかさめた気持ちで見つめる。
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あらぁ、食べられてるわぁ♪
愉快なものねぇ、ふふっ。
さっきまでは私だったけれど、今は別の存在。
だから、別に悲しむ義理なんてないでしょう?
あっ、右腕が食べられた。
ちなみに今食べてるのは「私」が「何か」と呼んでいたあれ。
砂漠に棲み着く化物。それに贄を与えるため、私がいる。
私はあのおぞましいモノのために、あの人間の中に入り、身体を無理矢理動かし、あの化物のところまで運んでいるわけだ。
何故私がそんなことをしなければならないのかというと……
あら、足が食べられたわねぇ。
血も出てないなんて、不思議ね、ふふっ。
「何か」は人間をどこから食べるか基本決まっている。
最初は四肢、次は胴体、最後に頭!
もう見慣れてしまったから、それくらいは余裕で分かってしまう。
死ねばいいのに。
そう思った瞬間、凄い勢いで「何か」の眼がこちらを向き、喉元にその牙を突きつける。
分かっていますよぉ、私は殺しはしません。そう、誓ったでしょう?
そして「何か」は満足した…………ように見えた。
「何か」が背を見せた瞬間眼を眇めた私の首を、「何か」は掻っ切った。
はぁ?
ばっかじゃないのぉ?
お前、私がいないと贄、見つけらんないんでしょぉ?
意味わかんない。
……そう。新しい子、見つけちゃったの?
この、浮気男。
浮気じゃないって?
じゃあ、嘘吐き。
やっぱり。
死ねばいいのに。
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以上で終わりです。
今回の夢は私史上一位と言っていいほどに流血表現なかったです!おめでとう!ですが、一周回って怖いですよね。死因は溺死ですし。でも、精神的なショックは私の中ではあまりありませんでしたよ?
最後まで読んでいただき、有難う御座いました。
作者久間莉衣亜
どうも、久間莉衣亜です。
❂本編の内容について
わけがわからない夢でした。
「私」の「そう」なるべきなのだから、と言った理由は何だったのでしょう。
結局、私にとって、「何か」は何だったのでしょう。
「浮気」って、何だったのでしょう。
ひょっとしたら、私は「何か」の贄だったのかもしれません。
しかし、「何か」は食べず、何故か贄を集めるための「道具」として働くことになったのでしょうか。
分かりませんし、分かりたくもありません。