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「おっちー」シリーズ外伝その1 S君兄妹との出会い

長編8
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「おっちー」シリーズ外伝その1 S君兄妹との出会い

「おっちー」シリーズ本篇はしばらくお休みします

「おっちー」シリーズ外伝としてS君兄妹や私たちの身のまわりに起きた事象を紹介していきたいと思います

(オアキ・オハルちゃんに出会う前です)

S君兄妹と出会ったのは私が小学校低学年の時でした

ちょうどF子とどこかで遊ぼうと近くの公園で遊ぶことにした

家から500メートルほどの距離にある小さな公園

その日は快晴で遊ぶにはちょうどいい気候でしたね

春休みなのでおもっきし遊べるとウキウキ気分でした

妹のF子は非常に人見知りが激しくいつも私の後ろについてきてました

声も小さくちょっと元気のない妹でした

二人で鬼ごっこやかくれんぼをして遊んでいるときに遠くから「おっちー、おっちー」という声が聞こえてきた

私とF子はお互いに顔を見合わせ「なに?今の声?」みたいな会話をしたと思います

その声が段々と近づいてきたんです

「お兄ちゃん、変な声が近づいてきてるよ、怖いよ」

「心配するな、お兄ちゃんがついてるから」

「うん・・・」

「おっちー、おっちー、お兄ちゃん、公園みっけたよ」

「おう、ここで遊ぼうぜ」

「うん」

これがS君兄妹との長い付き合いになる最初の出会いでした

「おっちー!!お兄ちゃん、あそこに小さな子が2人いるんだぞ」

「お!いるな、何してるんだろうな」

「おっちー、わかんないんだぞ」

お互いに気づいてしばらくは様子見をしてた

すると、いつも人見知りの激しいF子がいきなり私の前へ出てきて

「一緒に遊ぼう」とS君兄妹に話しかけた

これには私はびっくりした

いつも私の後ろに隠れて人から挨拶をされても小さな声で挨拶を返すのに

今回は私の前に出てきて「一緒に遊ぼう」と声をかけたのだ

「おう!いいぜ、お前らと遊んでやるぜ」

威勢がいいなと思いましたね

今でも威勢がいいけどね

「うん」と妹は小さな声で返事をした

今思えばこれがS君とF子の初恋なのかと・・・

妹はどんどんS君に惹かれていった

「おっちー、遊んでやるんだぞ」と小さな女の子の返事

正直、「こいつなに?「おっちー」って何?」と思った

これがおっちー娘、S子との初対面

後におっちー娘と結婚して子供が4人できるとは当時としては絶対に夢にも思わなかった

この能天気さ・・・不思議としか思えなかった

「よう、おまえらここでよく遊んでるのか?」

「たまに、遊んでるよ」

「そっか、俺はS、こいつはS子だぜ」

「おっちー、S子なんだぞ」

「俺はF、後ろにいるのが妹のF子」

「よろしくね」と妹は私の後ろから小さな声で挨拶をした

「声が小さいなぁ・・・」とS君

「うん・・・」とF子はまた小さな声で返事をした

「F子ちゃん、声が小さいんだぞ、どこか体の調子が悪いの?」

「ううん・・・別に・・・」

「妹は普段から声が小さいんだよ」

「そっかぁ・・・」

挨拶を交わした後に4人で夜遅くまで遊んでしまった

もちろん帰宅時間を過ぎているからオヤジからさんざん文句を言われた

「大事な娘になにか起きたらどうするんだ」と叱られた

「ちゃんと帰宅時間を決めてるんだよ、F、お兄ちゃんなんだからちゃんと守らなくちゃっね」とおふくろからも言われた

「お兄ちゃん・・・ごめんね」とF子は小さな声で私に謝ってきた

S君の家でもS君は相当叱られたと後から聞いた

S君一家は引っ越ししてきたばかりであちこちS子を連れて「冒険」と称して冒険をしていたらしい

春休みも終わり1学期がはじまった

偶然にもS君と同じクラスになった

もちろんすぐに仲良しになった

趣味のカメラは小学校3年生の時に中古のフィルムカメラを買ってもらった時だ

それから休みになると4人であちこち撮影しまくっていた

そして・・・不思議なこともたくさん遭遇した

S君と私の撮影場所がお寺とか神社とか遺跡とか子供らしくないところばかりだったからかもしれない

もちろんたまには遊園地とか連れて行ってもらって写すこともあった

基本は神社や遺跡などが多かったな

当時としては今みたいなデジタルではなくフィルムなので現像代がすごかった

すぐにお小遣いが無くなった

結構おふくろにお小遣いの値上げ交渉をしたがなかなかいい返事をもらえなかった

オヤジにも交渉したが「てめぇ、しばくぞ」の1点張り

話にならなかった

後にS君もカメラを買ってもらってすごくうれしそうな顔をしていたな

後にプロカメラマンになるとはね

そしてモデルが我が妹とは・・・

夏休みに入りはじめてお互いの家族の両親が顔を合わせた

特に私の両親とS君の母親はびっくり仰天した

この3人は同じ高校のそれも同じクラスメートだった

まさか!のそのまさかの再会

特に義理母は私の両親のことをよく知っていたので

「婿どの、あの時は本当にびっくりしたわよ

まさか、あの2人が結婚していたなんでね

どうみてもロミオとジュリエットだもんね

○○さん(おふくろの名前)の実家があの財閥の娘でしょ

○○くん(おやじの名前)は貧乏のうちだったし

どうみても不釣り合い

私たちの間では「すぐにわかれるんじゃないの」と噂してたのよ

でも・・・○○さん(おふくろの名前)、F君やF子ちゃんに恵まれて幸せそう」

私もそう思う

どう見ても不釣り合い

よくもまぁ・・・祖父母はあのチンピラオヤジを許したもんだと思う

どうみても普通の人間じゃないだろ

頭がリーゼントでいかにも不良という顔

おふくろはれっきとしたお嬢様

高校の時のおふくろはほんとうにかわいい(今じゃ・・・関取・・ゴホッ)

オヤジが惚れこむのはわかる・・・気がする・・・

その時以来、家族ぐるみのお付き合いになった

(というか、後々にお互いが親戚同士だとわかった

私の家系はオアキちゃん

S子の家系はオハルちゃん

この親戚だと分かった由来は後程話します)

お互いのお家にお泊りとかもよくしていた

(親戚同士だと分かった以来だけどね)

特にS子が我が家に来るとオヤジがもろに大喜びしていたな

逆にF子がS君の家に行くと義理父が大喜びしていた

小学校時代は4人でいろいろな場所へ撮影しに行ったな

中学校になると時間的にずれが生じて妹を連れての撮影はほぼなくなったな

一番ショックで大きな事件はあのサイクリング事件だな

後にオアキ・オハルちゃんたちとの関係する事件だったけどね

小学校時代のF子・S子の妹たちはなかなか周囲に理解されずにクラスで孤立していた

私の妹は人見知りが激しくなかなかお友達が出来なかった

F子の場合はいじめはなく単に孤立していただけだがS子は例の「おっちー」の口癖と能天気さが理解されずに結構いじめられていた

もともと明るい性格だから泣いてる姿を見たことはないが相当心の内では傷ついていたはずだと思う

学校の行きや帰りでも男子からからかわれていた

たまりかねて私とS君は休憩時間になるとS子のクラスへ行きS子の遊び相手をしていた

そのうちにF子も小学校へ上がりやはりクラスにはなじめずに孤立していた

私とS君とS子でF子の教室へ行き一緒になって遊んでいた

しかし、私たちも高学年となりなかなか妹たちの相手をしている時間がなくなってきた

S子にF子の面倒をたまに頼んでいた

一番の気がかりは私たちが中学生になった時だ

もう妹たちの遊び相手はできない

だから私たちが卒業した後はS子がF子の面倒を見てくれた

本当にS子には感謝している

なんで私たち4人はこんなに仲がいいのかたまに不思議になって話し込んだことがあった

でも結局は原因不明で終わっていた

後に私たちは親戚同士だからと仲がいいのかもという感じで納得していた

後にオアキ・オハルちゃんたちの面倒を見ることになるとは夢にも思わなかったけれどね

この事も外伝で話をします

妹たちが中学校へ上がるころにはS子はいじめられることもなく周囲になじんでいった

F子も顔たちが整っていたので自然と男子生徒の憧れの美少女として周囲に溶け込んでいった

F子の人見知りは少し改善していたがなかなか人前で話すことが苦手な感じでけっこう誤解を受けていたようだ

S子も高校生となりF子と学校で会うことはなくなってF子は結構つらい目にあったと話していた

その分、放課後はお互いの家にお泊りとかして遊んでいたけれどね

とくに顔が整っていたので女子からは嫌味や嫌がらせを受けていたようだ

男子からはそういうことはなく結構お誘いが来てたみたい

高校生になってS子とF子は違う学校だったので行きの時は同じ駅までは一緒にいた

帰りもたまに一緒になったらおたがいの学校の話などをしていたみたい

私とF子は本当にS子に感謝している

S子がいなければ絶対にF子は人前に出ることはないしモデルになることもなかったろう

だから私たち家族はS子との結婚には大賛成してくれたんだと思う

S子の両親も将来、S子は一生一人でいるんじゃないかと心配していたようだ

チンピラオヤジの余計なおせっかいで私との結婚の話になった時に

義理両親はほっと胸をなでおろしたんだそうだ

たまに小学校時代の思い出話をするがS子の笑いながら話すのを見て能天気さもあるのだろうが「強いな」とS子に話したことがあった

「おっちーー、全然強くないんだぞ!アニキたちが休憩時間にちゃんとあそびにきてくれてたからね、そりゃ・・お友達が一人もできなかった寂しさはあるけれどF子ちゃんやFアニキがいつもそばにいたからね

それにうちのアニキといると安心できたし・・・」

やはりS子は強い

人前で泣いている姿を見たことがない

あれだけ罵声やいじめを受けてたのにじっと耐えていた

S君にも聞いたが妹が泣いてるところを見たことがないと言っていた

まぁ・・・あのくそ不味い料理の時は怒りが爆発して私は怒鳴ってしまいS子が泣きながら外へ飛び出して行ってしまったが・・・あれがはじめてS子が人前で泣いたと言っていた

私も感情的になって怒鳴ったことは反省している

まさか外へ飛び出してあんな出来ことになるとは思ってもみなかった

今までS子には散々な目にあわされてきたが怒りがこみ上げてくることはなかった

人間、感情的になったらダメだね

さて・・・自己紹介はここまでかな・・・

あれは・・・小学校5年の5月か6月か・・・例のごとく・・・4人で

家から自転車で1時間ほどの距離にある神社へ・・・・

続きは・・・その2へ・・・

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