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短編2
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空気清浄機

先日、空気清浄機をある電気店で購入してきた、プラズマクラスター対応の高性能商品である。

リビングに設置し、電源を入れて放置しておくと、自動的に「ヴィーン」と稼働する。

汚れた空気をどのように探知しているか不明だが、時おり稼働しては唸っている。

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当初は定期的に稼働していると思っていたが、そうでもない。

臭いのキツイものを感知すると、稼働することも分かってきた。

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夜な夜なテレビを見ていると、いきなり空気清浄機が「ヴィーン」と唸った。

臭いのするものもない、空気も汚れてはいないはずだ、

『時間の経過でも、稼働するようになっているのかな?』と思い、気にしないようにしていた。

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突然、ふと気がついた、『そういえば恐怖映画や心霊番組を見だすと、空気清浄機が稼働してたな…』

『まさか?』と思い、映画リングのDVDを再生してみた。

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すると突然

「ヴィーン」空気清浄機が動き出した。

『嘘だろ…』

貞子が画面から、出てこようとする場面では、いきなり

「ヴィーーン」と強く稼働しだした。

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リングの映画も怖いし、空気清浄機も怖い。

リモコンでDVDを止めたとたん、空気清浄機は、ものの見事に静かになった。

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「心霊探知機かよ!」とつぶやき、恐る恐るトイレにいく、もちろん全ての電気をつけて、

鏡を見ないように、そして歌を歌いながら…、さっきのことを無理やり忘れてたふりをして、急いでトイレをすませた。

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リビングに戻り、雰囲気を変えようと、お笑い番組にチャンネルを合わせた。

するといきなり、

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shake

「ヴィーーン」「ヴィーーーン」「ヴィィーーーーーーーーーン」

shake

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狂ったように空気清浄機が唸る。

ぞわぞわと首筋から背中へと鳥肌が立ち、嫌な汗が噴き出してきた。

何かが、部屋の中に…、何かがいるような気配を感じる。

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テレビ画面がCMに切り替わり、ほんの一瞬、画面に反射した俺を映し出した。

その画面には、俺の後ろに…もうひとり得体のしれない何かが写っていた、

「うっ!」体は硬直し、神経のみが洗練されてとても敏感になる。

全身で感じる、何かがいる…、俺のうしろに…

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shake

sound:7

「ヴィィーーーーーーーン」「ヴィィーーーーーーーン」

shake

「ヴィィーーーーーーーン」「ヴィィーーーーーーーン」

空気清浄機は狂ったように唸りまくっている。

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「南無阿弥陀仏…」「南無阿弥陀仏…」

俺も狂ったかのように念仏を唱えた…

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心霊現象を予め探知できるって、便利なようでいて恐怖を増幅させるだけですね…

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