先日、空気清浄機をある電気店で購入してきた、プラズマクラスター対応の高性能商品である。
リビングに設置し、電源を入れて放置しておくと、自動的に「ヴィーン」と稼働する。
汚れた空気をどのように探知しているか不明だが、時おり稼働しては唸っている。
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当初は定期的に稼働していると思っていたが、そうでもない。
臭いのキツイものを感知すると、稼働することも分かってきた。
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夜な夜なテレビを見ていると、いきなり空気清浄機が「ヴィーン」と唸った。
臭いのするものもない、空気も汚れてはいないはずだ、
『時間の経過でも、稼働するようになっているのかな?』と思い、気にしないようにしていた。
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突然、ふと気がついた、『そういえば恐怖映画や心霊番組を見だすと、空気清浄機が稼働してたな…』
『まさか?』と思い、映画リングのDVDを再生してみた。
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すると突然
「ヴィーン」空気清浄機が動き出した。
『嘘だろ…』
貞子が画面から、出てこようとする場面では、いきなり
「ヴィーーン」と強く稼働しだした。
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リングの映画も怖いし、空気清浄機も怖い。
リモコンでDVDを止めたとたん、空気清浄機は、ものの見事に静かになった。
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「心霊探知機かよ!」とつぶやき、恐る恐るトイレにいく、もちろん全ての電気をつけて、
鏡を見ないように、そして歌を歌いながら…、さっきのことを無理やり忘れてたふりをして、急いでトイレをすませた。
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リビングに戻り、雰囲気を変えようと、お笑い番組にチャンネルを合わせた。
するといきなり、
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shake
「ヴィーーン」「ヴィーーーン」「ヴィィーーーーーーーーーン」
shake
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狂ったように空気清浄機が唸る。
ぞわぞわと首筋から背中へと鳥肌が立ち、嫌な汗が噴き出してきた。
何かが、部屋の中に…、何かがいるような気配を感じる。
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テレビ画面がCMに切り替わり、ほんの一瞬、画面に反射した俺を映し出した。
その画面には、俺の後ろに…もうひとり得体のしれない何かが写っていた、
「うっ!」体は硬直し、神経のみが洗練されてとても敏感になる。
全身で感じる、何かがいる…、俺のうしろに…
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shake
sound:7
「ヴィィーーーーーーーン」「ヴィィーーーーーーーン」
shake
「ヴィィーーーーーーーン」「ヴィィーーーーーーーン」
空気清浄機は狂ったように唸りまくっている。
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「南無阿弥陀仏…」「南無阿弥陀仏…」
俺も狂ったかのように念仏を唱えた…
作者NIGHTMARE