この腐りきった世界を滅ぼしてやろうと、俺は伝説の魔物を解き放つことにした。
ヨーロッパに渡り、ある城の秘密の地下道を抜けて、俺は魔物が捕らえられている牢獄の前に立った。
伝説によれば、魔物は千年もの間、この中に閉じ込められている。
ワルシャワで手に入れた本の呪文を唱えた。
すると第一の扉が開いた。
第二の扉も本の呪文で開けることが出来た。
最後の第三の扉は、壁のボタンを押すだけでよかった。
だがそのボタンは、厚い壁に空けられた穴の奥にあり、これは本にはなかった情報だった。
穴に腕を入れて思い切り伸ばしても、惜しいところで指は届かなかった。
時間がない──
第二の扉を開けてから、ボタンは一分以内に押さなければ、俺はこの場所に閉じ込められてしまう!
辺りに使えそうな道具はない──
残り僅か三十秒──
穴の深さは約三十センチ──
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俺は魔物を解き放つことに成功した。
時間も穴の直径も、本当にギリギリだった。
作者いも
魔物は──。