ふと、月が変わっている事を思い出し、台所に貼ってあるカレンダーをめくった。
新しいページを画鋲でとめた時、今開いたばかりのページの一部分に汚れがある事に気付いた。
泥でなぞったような黒い跡。
「ああ、わかってるよ( ´ ▽ ` )/」
汚れのついた部分は8月15日。
親父が死んだ日。
そしてこの汚れをつけた犯人…俺にはわかっている。親父の墓で一緒に眠っている愛犬のマモル。これは、こいつの肉球の跡だ。
毎年、毎年、バカな俺が忘れないようにと、マモルがこうして不器用な合図を送ってくるんだ。でも、流石にお盆真っ只中のこの日を思い出さないほど、俺もバカじゃないよ。マモルくん。
年中無休が売りの俺の店だが、この日ばかりは、今年も昼で店を閉めるつもりだ。
了
作者ロビンⓂ︎
暑中お見舞い申し上げます…ひ…