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短編1
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ちゃちな嘘

僕の母親は何かある度に「自分には霊感がある」と言います。でも、そういうものはないというのは分かっていました。視えないものが視えてしまう僕と違い、何も母が感じていないのは明白でした。

そんなある日、家族旅行で訪れた土地で例の如く「霊がいる」と始まったのです。さすがの私も、ここは戦争で被害が大きかった場所だからあり得るが、簡単に言うものじゃないと注意をしましたが「自分には凄い霊感がある」という自負にエンジンがかかってしまい、母は止めようとしません。呆れ返っていると妙な悪寒が始まりました。そして我が家は直ぐにそこを後にしました。

数日すると近所で無言電話が流行っていると回覧板が回って来ました。うちではまだないねと話していた時です。急に電話が鳴り出しました。それに母が出ると、やはり無言電話だったようで強気に相手を挑発していました。すると母が

「なによ!?窓を開けろ!?」

そして徐に窓を開けると一瞬でしたが顔中が焼けただれた女性の顔が口を開けて見ていました。そして

「ようやく、お前を見つけたよ...」

母はその場で卒倒。姉は泣き叫び、父と僕は凍りついていました。その後、母は霊感うんぬんと言うことはなくなりましたが、あの顔は一体なんだったのか...?

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