子供の頃に体験した話です。
ある日、小学校で避難訓練をする事になりました。
田舎の学校だった為、1学年に1~2クラスしかありませんでした。
毎年恒例なのですが、6年生になると避難用の滑り台を滑らせてもらえます。
いつも校庭から6年生が楽しそうに滑り降りてくるのを見ていた私は楽しみでした。
そしてついに滑り台を滑る時が来ました。
私は3番目でした。
指定された教室に入ると、作業服を着たおじさんが滑り台の入り口で手招きします。
1人目が滑り台を降りました。
「次の人」と作業服のおじさんが言うと、2人目が滑り台を降りました。
「次の人」と言って、私が降りようとした時、後ろから「あなただれですか!」と4年生の先生が叫びました。
作業服の男は手をあげると「私が次でした」と言いながら滑り台を降りました。
滑り台がまだ固定されていなかったので、1人目と2人目はそのまま地面に落ち、ところどころが折れて重症でした。
作業服のおじさんは打ちどころが悪かったのか、そのまま死にました。
私は「次の人」にならず、今でも4年生の先生には感謝しています。
先生、本当にありがとうございました。
作者幽霊部員