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短編2
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指導員

子供の頃に体験した話です。

小さいころ、団地に住んでいたのですが、隣接した商業用施設にはゲームセンターがあり、小銭を握りしめて友達と一緒に遊びに行くのがいつも楽しみでした。

ですが、ゲームセンターで遊ぶのはハイリスクでした。

学校では小学生だけで商業用施設で遊ぶことを禁止していて、PTAのおばさんが不定期に見回りをしていました。

もしもその見回りのおばさんに見つかってしまうと、その場で自宅に電話され、親が飛んできて、こっぴどく怒られ、更に次の日には先生から怒られるダブルパンチ。

しかし、私にはその心配はありませんでした。

何故なら、親がPTA会長で見回りの当番表をこっそりと入手していたからです。

私は友達から神と崇められ、その日もゲームセンターに向かいました。

しかし、それが間違いだったのです。私が見ていた当番表は修正前のものだったらしく、日程に一部変更があり、ゲームセンターの入り口付近にPTAのおばさんを発見。

「おいどうすんだよ」と言われた私が諦めて帰ろうとした時でした。

近くにいたおじさんが「君たち、小学生でしょ?」と話しかけてきました。

私たちはひそひそ話をしてから「おじさんPTAの人?」と聞き返しました。

そうするとおじさんは「安心して、君たちの見方だよ」と言いました。

私たちが安心したところでおじさんが「うちに来ない?すごいゲームがあるんだよ」と言いました。ゲームに飢えていたいた私たちはすぐにおじさんの家についていきました。

おじさんの家も団地の一室でした。

中には当時流行っていた家庭用ゲーム機のソフトがほぼコンプリートと言えるくらいそろっていました。私たちは感動してあのゲームがやりたい、このゲームがやりたいと喧嘩になりました。おじさんが「向こうの部屋にもあるから誰か来たい人」というと、私が手をあげるより先に他の友達が手をあげ、おじさんに連れられて隣の部屋に入っていきました。

それからしばらくして、帰る時間になり、おじさんにそのことを言うと「もう一人は先に帰ったよ」と言いました。

私と友達はそれを聞いて帰るなら声をかけてくれればよかったのにと思いました。

帰りがけにおじさんはポテトチップスをくれました。

ありがとうと言うと「またいつでも来てね」と言ってくれました。

翌日から先に帰った友達は学校に来なくなりました。

先生に聞いても暗い顔をするだけです。

もしかしたら学校をサボっておじさんの家でゲームをしているのかも知れません。

また今度、挨拶に行ってみようと思います。

Concrete
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