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短編2
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魔女の呪い

とある国の小さな田舎町。

人々は信仰心が強く毎日教会に通い、祈りを欠かさず慎ましやかに暮らしている。

そんなこの町には恐ろしい言い伝えが残っていた。

『白い魔女の呪い』

この町では当時、魔女は珍しいものでは無かった。

主に薬草の研究や占いのようなものがメインで、医者のような事も行い、慕われこそすれ、畏れられる存在では無かった。

魔女の一族である彼女は若く美しく、その白い肌と銀髪から『白い魔女』と呼ばれていた。

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…だが、どこからか「何人もの人を呪い殺している」「人を殺して食べている」等と噂が流れ始め、あっと言う間に噂は広がり、彼女の家の近くから多くの遺体が発見されたことから、魔女は処刑された。

魔女は死の間際に呪いの言葉を遺した。

「皆殺しだ」「苦しんで死ぬがいい!」「わが一族に栄光あれ!」

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魔女の悪行…だがそれは、魔女を異端として陥れた教会の仕業だったのだ。

彼女は誰も殺してなど居なかった。

魔女の無念は如何程だったのか…。

残された魔女の一族も迫害され、やがてその地を離れ、散り散りになった。

それから数年後…

処刑を執行した者、それを取り仕切った教会の者達が次々に原因不明の奇病にかかり亡くなった。

やがて感染は町中に広がっていった。

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始めは手足の指先が白カビの胞子のように白くなり、やがて指先から腕・脚、胸部、頭部へと壊死が広がり死に至る。

魔女が居なくなったこの町では教会が病院代わりであり、皆そこで治療を受けていた。

中には手足を切り落とし存命を図った者もいたが無駄だった。

切り落とした先から再び壊死が始まったのだ。

『白い魔女の呪い』

やがて人々の間でそう畏れらたこの病にかかり、生きて教会を出た者は皆無である。

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町外れに住むマリアもその奇病に侵されていた。

「マリア…あなたは何が有っても守るわ…」

幼い少女マリアは母親と二人暮らしだった。

以前は教会近くに暮らしていたが、父親が亡くなってからは町外れで自給自足の生活を送っていた。

マリアの父親もまた、白い魔女の呪いにかかり命を落としていた。

この病にかかり助かった者は一人として居なかった。

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「お母さん…私もお父さんと同じになるの?」

「大丈夫よ、あなたはあの人のようにはさせないわ」

マリアの母親は教会には連れて行かずに自宅で療養させていた。

母親は祈りを捧げ、懸命に看病を続けた。

町では禁止されていたが魔女の墓にお参りし、離れて行った魔女の一族にも助けを求めた。

実は夫が病にかかった時にも、隠れて同じようにしていたのだ。

「あの人と同じ目には合わせない…」

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数ヶ月後…

マリアは嘘のように完治した、マリアの父親と同じように。

ただ父親と違ったのは、マリアは教会に居なかった事だ。

それ故に彼女は生き延びる事が出来た。

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