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短編2
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真夜中の通報

ある、通報が俺が勤務する交番に入った。

「お隣りの◯◯さんがさっきから騒がしくて悲鳴も聞こえるんです…。ちょっと怖いので見に行ってもらえませんか?」

騒音による通報だった。

喧嘩か?と思いつつ、交番から近い指定されたアパートの102号室へ出向いた。

インターホンが壊れている。

コンコン 

「夜分遅くに失礼します。警察です。騒音がすると通報があったので来ましたが、何かありましたかー?」

ドア越しに声をかける。

ドアに耳を当てるが、102号室はシーンと静かだった。

「大丈夫ですかー? いらっしゃいませんかー?」

何かあったら大変なのでしつこく声をかける。

すると、ドアが開き、ぬっと中から若い女がでてきた。

中は深夜にも関わらず真っ暗でどうにか女の顔を認識できる程であった。

「物騒な音がすると通報があったのですが、何かありましたか?」

「いえ…あの…」

女は少し言葉を震わせながら言った。

チラッと奥の方を見ると、真っ暗で何も見えないが、何人かいるような気配、気のせいかこちらを伺っているような気配も感じられた。

「だれか中にいるのですか?あなたのでしょうか?悲鳴も聞こえたと通報があったのですが?」

「いえ… 悲鳴も出してないですし、今私は一人です」

「そうですか?特に問題はありませんか?」

「はい…」

「では、もし何かありましたら、近くを巡回していますので、警察までご連絡下さい。又、何か言えない状況で心当たりがあるのなら、ご近所に迷惑になりますのでご注意ください。それでは。」

心の中で溜息をつく。

こういう悪戯じみた事はよくある事だった。

女から視線をずらし、ドアを閉めようとする。と

「待って下さい!」

「はい?」

「た いへん失礼致しました。す ぐ静かにするようにします。け ど、て い電が突然あって、びっくりして騒いでしまったんです…。」

「あ、そうだったんですね笑 分かりました。通報者にはそのように伝えておきます。先程も言いましたが、アパートですとちょっとした騒音がトラブルを招きますので十分ご注意下さいね。それでは」

最後にドアを閉めた時、理由は分からないが、なぜか女は悲しそうな顔をしていた。

それと、ずいぶん変な話し方をする女だと思った。

変な所で強弱、合間をとった話し方。違和感があった。

まあ、早く戻ってDVDの続きを見よう。

当直の交番勤務は正直暇なんだ。許してくれ。

Concrete
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