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風呂に関する短い話 十二

短編1
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風呂に関する短い話 十二

まず、四角形の浴槽に半分ほどの高さまで水を張る。

いちど沸かした湯ではなく、ただの水を張るほうがよいらしい。

次にロウソクを四本用意し、浴槽のへりの四隅に一本ずつ立て、火を灯していく。

このとき、どのロウソクからでもよいので《いちばん最初のロウソク》を設定する。

最初に火を灯したロウソクから時計回りに、一分の間隔を空けつつ順に着火していき、四本目までおよそ四分の時間を計測すること。

すべてのロウソクに火が灯ったら、あとは風呂場の照明を消して待機する。

部屋に居てもよいし、外出してもよい。

十分ほど経過したら、再び様子を見に行く。

《いちばん最初に灯したロウソク》が最も長く残っている場合は。

その場所には《なにか》が居るのだそうだ。

待機しているあいだに

《獣が暴れているような声が聞こえる》

という情報もあるが、詳細は不明。

関東のオカルト研究家に聞いた話である。

【実際に試す場合、心霊現象うんぬんよりも防災上の危険があると思われる。十分な配慮を払い、自己責任で】

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