【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編5
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意義

??「こっちもちゃんと記録するのは久しぶりかしら。」

??「ええと、これ名前をつけることになったんですかい?あっし名前ないんですけど‥」

??「そういえば。あなたの名前ちゃんと読んだことなかったわね。まさかずっとあの名称で呼ぶわけにもいかないし‥どうしましょうね。」

??「名前なんか別にいらないっすよ。好きなように呼べばいいでしょうが。」

??「そうもいかないのですよ。うーん‥よし。決めました。あなたの名前は令です。令。返事をなさい。」

令「へぇ。その心は?」

??「霊の違う漢字をあてがいました。単純でしょう。」

令「ちょっと待って下さいよ。それだとあんたも名前がいるんじゃないですかい?」

??「そうですね。では幽でお願いします。あなたと私で幽令。洒落ているでしょう?」

令「漢字違ってんですけど。」

幽「だって「霊」は直球すぎませんか?さすがにねぇ‥ともかく、これで私達も話を進められるのです。さて、今日のお話を聞かせてください‥あ、でも今回は特別ですからね。逆に私の知ってる話をしましょうか。」

令「こりゃ珍しい。あんたから話をするなんてな。」

幽「この前ですね。興味本意で色んな所を探っていたら興味深い話を聞いたのですよ。宇宙人は人が産み出したものとか言っていましてね。」

令「人が産み出しただ?そんな訳のわからん話してたんですかい?」

幽「ええ。その話を聞いていましたら、私も話してみたくなったのですよ。なので、今回は私が話します。令はそれを聞きなさい。今日の仕事はそれです。」

令「嫌だっつったってどーせ断れないんでしょう?どんな話なんです?」

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この二人。色々訳があって一緒に生活をしている。とある町外れの洋館を買い込み、一人で生活する幽が召し使いとして令を雇っている。

この物語は、そんな二人の暇潰しを書き留めたものである。

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幽「この話は一人の男が主人公です。この男、数週間前まである会社で働いていたのですが、ちょっとしたトラブルで会社をクビになってしまいました。でも取り敢えず貯金はあるし、またお金がなくなったら就職先でも探そうかなと家で寝る生活を続けていました。」

令「どっかの誰かさんみたいな生活ですね。」

幽「私はもう仕事引退しましたし、この見た目は子供ですから。」

令「どの口が」

幽「とにかく。今日も1日どうしようかなと、部屋で寝転んでいたわけですよ。すると男の目の前に、いきなり女が現れたのです。」

令「?ワープみたいなもんですかい?」

幽「理屈は知りません。現れたものは現れたのです。当然男は驚いて、「お前は誰だ?!」って聞くわけですよ。女は一瞬驚いた後、「あ、間違えた‥やっちゃったな‥こんにちは。気にしないでください。すぐ消えますから。」って答えるんですよね。」

幽「男は「勝手に出てきといてそれはないでしょう。ちゃんと説明してくださいよ。」って詰め寄るんですよね。女は「困ったなぁ‥えーと、私は宇宙人なんですよ。時空移動中にルートを間違えて、たまたまこの部屋に出現してしまいました。タイマーが起動すれば消失しますので、放っておいてくださいな。」って答えるんです。」

令「この女頭おかしいんやないですか?」

幽「とはいってもですね。実際音もなくいきなり出現したわけですし。普通では考えられないのですよ。男は取り敢えず信じることにしました。次に「目的は侵略ですか?!何しに地球に来たんですか?」っていう質問をするんですけど、女は「私に侵略なんか出来ませんよ。ただの市民ですし。因みに目的は旅行です。」って返すのです。

「じゃあ親善目的ですか?地球に技術を教えに来たみたいな。話によるとあなた星の技術力、かなりのものですよね。」って質問しても「教えられたらいいんですけどね。これ市販ツアーですし、私ただの参加者なんでそんな知識ありません。」って返すのです。男は「あなた宇宙人なんでしょう?何かすごいこと出来ないんですか?」って質問するんですけど

「期待してる所申し訳ないのですが、私本当になんにもできないのですよ。時々こういうツアーに参加して、他の星を見るだけ。それくらいの自由はあるのですが、それだけ。すぐに勝手に消えますので、放っておいてください。」って返すのですよね。」

令「なんか釈然としないというか‥せっかく宇宙人にあえてもこれじゃなぁ。」

幽「男も気になったのでしょうね。「ただ見るだけ?馬鹿げていませんか?となると、自分の存在意義とか、出現した目的とかはないんですか?」って聞いてみるのです。すると女は「世の中には毒にも薬にもならない、

ただ存在しているだけで目的もなく、回りにも何にも影響を与えない。人畜無害な存在もたくさんあるんですよ。私はそういう存在なのですよ。それに、意義や目的があって存在しているものばかりとは限りません。道端の石ころとか、雑草とか、私とか、それに、あなたとか‥」女は消えました。話は終わりです。」

令「は‥?」

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幽「どうでしたか?ちょっとしたものでしょう?」

令「いや、これあいつらの話全否定じゃないですか。いいんですかい?こんな話作って。」

幽「それはそれ、これはこれですよ。そもそも目的とか意義とか、有るにこしたことはありませんよ?でもそんなことを一々考えていたら疲れるじゃありませんか。私達が生きている理由なんて案外くだらないものなのですよ。でも生きている。それだけで良いじゃありませんか。」

令「なんか丸め込まれた感がすごいのと、あとそもそもあんた死んでるってのは突っ込まないほうが良いんでしょーね。」

幽「さて、久しぶりに話を書いたら疲れてしまいました。何か料理でも作って下さい。」

令「え。あっしの仕事はもう終わりでは?」

幽「気が変わりました。どうせ話聞いていただけでしょう?よろしくお願いしますね。」

令「‥へいへい。」

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??「‥なんか見られている気がしねえか?」

??「わたしは感じないよ‥気のせいじゃないかな?」

??「気にする事ないわよ。ところで今日の話は‥」

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