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中編5
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心霊スポットにて

※注意)これは実際に体験した人から一部を取材して許可を得て投稿する話です。

今回の怖い話は20代の女性から聞いた話をリメイクしたものです。彼女のことは仮にYとします。

Yさんは同い年の女友達のKさんと心霊スポットに行こうという話になりました。言い出したのはKさんで理由は夏であることと車の運転免許を取ったことでした。

Y「えー?やだよぉ。呪われたりしたら怖いじゃん」

K「平気平気、実際に降りるつもりなんてないんだから。ドライブよ。ド、ラ、イ、ブ!」

Y「本当に降りないのね?ちゃんと通り過ぎてよ?あと時間は夕方にして!」

K「夕方って(笑)怖がりすぎーwせめて7時台にしよ?」

Y「んー、わかった。でも深夜にだけはならんようにね!」

K「オッケーオッケー」

ということで心霊スポットにドライブしに行くことになったYさん、家から数珠や御守り、塩を持ってきました。

K「まじ、怖がりすぎでしょ笑笑 まーとりあえずいこ」

Y「うん」

駅で待ち合わせをしてやがて大通りから二車線道路になり、山道に入りました。

Y「どこまで行くの?すっごい周り暗くなって来たよ?」

K「もう少しのところを右に行ったら山の中に入って廃病院の跡地らしいからそこ見て帰ろ?」

Y「えぇ!廃病院!?ねぇやめとこ?危ないって」

K「大丈夫大丈夫。ここまで来たし行こうよ」

Y「わかった。」

右に曲がったところで急ブレーキ気味にKが車を止めました。

Y「ん!?どうしたん?」

K「子ども!」

目の前には2人の小さな男の子と女の子がいました。Kもさすがに怖くなったようで急いでバックして帰ろうとしました。ですが、Kがバックギアに入れる前にその子たちはバンパーにひっつきました。急いでブレーキをかけて

K「危ないでしょ!降りなさい!」と窓から子どもたちを怒鳴りつけました。

男の子「ねぇ、後ろ乗せてよ。」この状況に似つかわしくない満面の笑みで男の子は言いました。

K「え!?なんでよ!知らない子を乗せるわけないでしょ!」

Kはこの子たちが幽霊だと思ったようです。

男の子「それなら別に良いよ、轢き殺せばいいじゃない。でも僕生きてるよ?」

(なんでこの子私が幽霊だと思ったことわかったの!?)とKは内心で焦った気持ちになりました。男の子の作戦であるかもしれませんが。

すると今度は女の子がYに向かって

女の子「お姉ちゃん。お願い。私たちね?お家から逃げたいだけなの」と半袖の肘の裏を見せてきました。

Yは無数の焼け跡を見ました。瞬時に(虐待だ)と思ったYは「乗せてあげよう?」とKに言いました。

Kも虐待されている子どもを見過ごすことはできません。当然子どもを轢き殺すこともできませんでした。

K「良いよ、乗せてってあげる」

渋々承諾したKはこのまま廃病院になど行ってる暇はないので、街の方に車を走らせました。

男の子「僕たち前ね?施設のお姉さんが来てくれてお父さんとお母さんに内緒でこれもらったの」

と男の子は封筒を取り出してYに渡しました。

そこは「児童養護施設」の住所でした。手紙が入っており「この子たちは両親から虐待を受けています。私たちがお迎えに行く前に1人でこちらに向かおうとするかもしれないので、もしこの手紙と子どもたちを拾った方がいらっしゃいましたらどうかこちらまでお送りください。」

と書いてありました。YはそのことをKに伝えると

K「確かに車に思いっきり張り付くあたり行動力はありそうね。それにしてもまるで私たちが来ることがわかっていたような手紙ね?」

Y「確かにそうだけど。私たちじゃなくてもこの子たちやってたかも」

K「それもあるよね」

しばらく沈黙したのち男の子が「僕たち幽霊だよ?」

と言いました。

KとY「!?」と驚いてみたものの。いやいやありえないと2人で笑いました。

Y「あのね?お姉ちゃんものすっごい怖がりだけど、君たちは幽霊じゃないよ。幽霊って足ないはずでしょ?さっき手紙渡される時に手に当たってわかったけど体温も普通だったよ」

K「それに幽霊だったら何も飛びつかなくても入ってこれちゃうじゃん(笑)」

男の子「じゃあナビ見てみなよ?ありがちなこと起きてっから」さっきの満面の笑みでした。

慌ててKとYがナビを確認すると「圏外」と表示され地図は真っ白でした。

K「えぇ!?じゃあ私今どこ走ってるの!」

男の子「まあまあ、落ち着いてよ。僕がちゃんと案内するからさ」(笑み)

Yはすでに涙目になり、震えていて声が出ませんでした。

女の子「お姉ちゃん!膝の上に行って良い?」とYに言いました。Yのオッケーをもらう前に女の子はするりと車の中で小回りを効かせあっという間にYの膝上に納まりました。

Yは初めは怖がって伏せていましたが、女の子がYの肩を抱きYの左耳にこっそりと「あなたは大丈夫、助けてあげる」と言いました。

Yは「はっ」として身を起こしました。Yはなぜかその言葉で安心しました。そしてYが口を開こうと瞬間に女の子がサッと手のひらでYの口を塞ぎ「隣の子に言ったらやだよ?」と耳に囁きました。そしてものすごい力で口と鼻を片手で塞ぎました。

途中Kが「あんたなにやってんの!」とYが苦しそうなのを見て叫びましたが、女の子は落ち着いて「このお姉ちゃん喘息なりそうだよ?」と言ったことでYは手当てだと思い「ありがとう」と静かに言いました。

Yはこのままでは窒息すると思い、小刻みに頷きました。

女の子は素直になったYを見て一言「いいこ」と言ってYの頭を撫でました。Yは疲れからの安堵感で深く眠ってしまいました。

やがて男の子の案内で目的地に着きました。

K「どこにも施設なんてないじゃないの!」と男の子を怒鳴りつけました。

男の子「じゃあここら辺で死のっか(笑み)」

K「は!何いってんの!殺されるくらいなら殺してやるわよ!」とKは後部座席にいる男の子の首を両手で締め上げました。

男の子「あー苦しい苦しい。僕を殺そうとしたんだからおねぇちゃん、殺してもセイトーボーエイだよね?」冷たく無機質な声でした。

K「なんで死なないのよ!死になさいよ!」

女の子が右ポケットから注射を取り出して「お注射しましょうね!」と明るく元気に言ってKの首に打ちました。Kはグッタリとして動けなくなりました。しかし動かせないのは首から下のみで意識はある状態です。

男の子「じゃあ運ぼっか!」

女の子「うん!そうしよ!」

2人で力を合わせてKを車から下ろし、深い沼の中に3人一緒に入っていきました。

ではなぜこの話の詳細が分かるのかですが、Kを運んだ後に2人の子どもから手紙が残されており、そこに今夜ドライブを共にした4人全員の言葉や行動、その順番や心理状態を事細かく子どもの字で記されていたからです。手紙の最後には2人の子どもの名前が書いてあったと言います。

Yさんは「カタリベ」として生き残されたようです。

Concrete
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@イエーイさんありがとうございます

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@イカスミさんありがとうございます

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